猿まわし劇場29日再開 劇場主「地域を元気にしたい」 南阿蘇村 [熊本県]

営業再開に向けて気勢をあげる村崎さんとぽんちゃん=南阿蘇村の「阿蘇猿まわし劇場」
営業再開に向けて気勢をあげる村崎さんとぽんちゃん=南阿蘇村の「阿蘇猿まわし劇場」
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 熊本地震の被害で休業している南阿蘇村の「阿蘇猿まわし劇場」が29日に営業再開する。自らサルと軽妙なやりとりをする劇場主の村崎英治さん(34)は「亡くなった方がいるのに人を笑わせている場合かと思うこともあったが、営業することで地元を元気にしたい」と準備を進める。

 16日午前1時25分の本震発生時、村崎さんは劇場近くの寮にいた。隣にある猿舎(えんしゃ)へ走り、コンビを組む雄のニホンザル「ぽんちゃん」の名前を呼び続けた。普段は、名前を呼べば近寄ってくるが、この日は反応がなく「おりの中でじっとして、とても警戒している様子だった」。余震を警戒し、ほかの調教師やサルと車の中で朝を迎えた。

 村では、地震の影響で多くの観光施設が休業に追い込まれた。劇場もつり天井が落下し16日から休業。ただ、「被害は最小限に抑えられた」(村崎さん)といい、前震翌日の15日に餌を多めに買っていたおかげでサルが空腹になることもなく、次第に落ち着きを取り戻した。

 劇場は、衰退の危機にあった猿まわしの再興に尽くした村崎さんの祖父義正さん(故人)が1989年に設立。サルは約30匹、調教師は約10人いて、国内外から多くの観光客を集めてきた。地震の影響で大型連休の予約は全てキャンセルになった。村崎さんは「おサルさんたちは劇場が駄目になれば、行くところが無くなる。早く復活させたい」と力強く語った。

=2016/04/28付 西日本新聞朝刊=

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