元王者が高齢者にボクシング 病気に打ち勝つ体力づくり伝授 荒尾市のジム会長・金山さん [熊本県]

手術に向けた体力づくりに励む作本雄一さん(右)をマンツーマンで指導する金山俊治さん(奥)
手術に向けた体力づくりに励む作本雄一さん(右)をマンツーマンで指導する金山俊治さん(奥)
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 荒尾市四ツ山町にあるボクシングジム「ナンバーワン・チャンピオン・スクール」が、持病のある高齢者向けのレッスンを始めた。ほぼマンツーマンで負担の少ない体の動かし方などを指導する。ステップを踏みながら動き回る「有酸素運動」と、筋力トレーニングを組み合わせながら、病気に打ち勝つ体力づくりを目指す。

 ジム会長の金山俊治さん(43)は、ガッツ石松さんや大橋秀行さんなどの世界王者を輩出した名門「ヨネクラジム」(東京、8月に閉鎖)の出身。「クレイジー・タイガー・キム」のリングネームで東洋太平洋(OPBF)3階級制覇を成し遂げた。ハードパンチャーがひしめく中量~重量級で戦っていたが、専門家の指導で入念に体をケアしていたため、大きな故障をしたことはなかったという。

 レッスンでは、その日の体調によってメニューを調整。10分以上かけて全身を入念にほぐした上でトレーニングに入る。金山さんは目と顔色の変化に着目するという。「例えば白目の部分が黄色っぽく変わるようなことがあったらすぐに中断し、受診を促す」。体調の急変に備え、受講者の常備薬の投与法なども聞いておく。

 受講者の第1号は、2カ月前に前立腺がんと診断された福岡県大牟田市の造園業作本雄一さん(71)。来年春に手術が決まり、体力を付けておこうと考えていたところ、知人からジムを紹介され、孫娘と通い始めた。全くの初心者で最初はシャドーボクシングすらままならなかったが、毎日休まずに通い、プロボクサーを相手に実戦形式の練習をこなすまでになった。

 作本さんは心臓の持病もあり、治療薬のニトログリセリンを手放せないが「病気を恐れて家に閉じこもっていても仕方がない。希望がある限り、燃え尽きるまで前に進みたい」と話す。

 高齢者レッスンの対象は65歳以上。病気の治療費などに配慮し、料金は通常の半額の月3千円に設定。付き添いで通う家族向けの割引料金もある。金山さんは「全身を動かすボクシングは体力づくりに最適。お年寄りが無理なく安全に楽しめるよう、しっかりサポートしたい」と話している。

=2017/12/08付 西日本新聞朝刊=

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