被災者、息長く支える 北九州市のNPO法人、悩みや希望受け止め

益城町のテクノ仮設団地で住民と交流する大学生たち
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「若い力を生かし、息長い支援を」と語る藤沢健児さん
「若い力を生かし、息長い支援を」と語る藤沢健児さん
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 熊本地震の発生から間もなく1年。被災者のニーズに対応し、継続的に支援する人たちが北九州・京築地域にいる。北九州市小倉南区のNPO法人「エンジェルウイングス」の理事長藤沢健児さん(53)もその一人。発生直後に現地入りし、ボランティアセンターの立ち上げに尽力。今も北九州市立大の学生らと仮設住宅を訪ね、心のケアなどに取り組む。「人とのつながりを大切に息長く支えたい」と力を込める。

 エンジェルウイングスは2006年、海上自衛隊でパイロットをしていた藤沢さんが退職後、「ノウハウを生かして人助けを」と、操縦資格を持つ知人ら約10人で設立。11年の東日本大震災の直後、歯ブラシを小型機で岩手県陸前高田市へ届けた。その後も同県でボランティア活動を続け、「ライフラインや住む場所が整っても、心のケアや防災教育などの支援はずっと必要」と実感したという。

 熊本地震では、前震の発生した翌日の昨年4月15日、全国の社会福祉協議会や中央共同募金会などでつくる「災害ボランティア活動支援プロジェクト会議」の要請を受け現地入り。本震や余震に遭いながら、ボランティアセンター構築を手伝う地元高校生らの指導や、避難所での物資の仕分けなどに携わったという。

 昨年9月、「人助けしたいという福岡の学生と被災地とをつなぎたい」と、北九州市立大、西南学院大(福岡市)と「ふくおか学生熊本地震支援実行委員会」を組織。他大学にも呼び掛け、福岡県内6大学の計60人と今年3月末までに計6回、熊本市や益城町の仮設住宅でコミュニティーづくりのための茶会やサロン、子ども向けの消火訓練などの防災イベントを開いてきた。

 「被災地ボランティアというと、がれき撤去をイメージしがちだが、それだけではない」と藤沢さん。2、3月に現地訪問した北九州市立大2年の須磨航(わたる)さん(19)は「集会所がない仮設もあり、交流機会をつくることも重要と知った」。

 益城町の仮設住宅では先月末、独居男性が孤独死しているのが見つかった。藤沢さんは「現地のニーズや悩みは常に変化している。若い力を生かしながら、大学や団体の枠を超えて、実効性のある細やかな支援をしていきたい」。藤沢さんの被災地へのまなざしは熱く、優しい。

=2017/04/13付 西日本新聞朝刊=

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