熊本地震1年、鎮魂の朝 犠牲225人に復興誓う

地震で亡くなった荒牧不二人さんの自宅跡を訪れ、手を合わせる友人の西村治信さん=14日午前6時28分、熊本県益城町
地震で亡くなった荒牧不二人さんの自宅跡を訪れ、手を合わせる友人の西村治信さん=14日午前6時28分、熊本県益城町
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県主催の熊本地震犠牲者追悼式で献花をする遺族ら=14日午前、熊本県庁
県主催の熊本地震犠牲者追悼式で献花をする遺族ら=14日午前、熊本県庁
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 観測史上初めて2度の震度7を観測し、熊本、大分両県で震災関連死を含め225人が犠牲となった熊本地震は14日、前震から1年を迎えた。熊本県庁で県主催の犠牲者追悼式が開かれるなど、被災地は祈りに包まれた。亡き人をしのび、あの日の記憶を教訓として刻むとともに、復興への決意を新たにした。

 犠牲者追悼式は午前10時に始まり、遺族99人や安倍晋三首相、自治体関係者など計365人が参列。全員で1分間の黙とうをささげ、祭壇に花を手向けた。

 同居していた母の津崎操さん(享年89)を亡くした熊本市中央区の冨永真由美さん(58)は、遺族代表として祭壇前に立った。冨永さんは「悲しみが癒えることはありません。それでも、少しでも前を向いて、元気に歩きだすことは亡くなった方々の望みではないでしょうか」と語り掛けた。操さんは昨年4月16日、車中泊で体調を崩して死亡し、震災関連死と認定された。

 式で首相は「一日も早い生活の再建となりわいの再生、被災地の復興を実現するため、政府一丸となって全力で取り組む」と述べ、インフラや熊本城の復旧などに力を注ぐ考えを示した。蒲島郁夫知事は「安心して暮らすことができ、夢と誇りにあふれる熊本を必ずつくり上げる」と誓った。

 式に先立ち、県は復旧・復興本部会議を開催。一部区間の運休が続く第三セクター南阿蘇鉄道(熊本県高森町-同県南阿蘇村)の全線復旧に向けた県と関係自治体による協議会を、月内に発足する方針を確認した。被災した国や県の指定・登録文化財158件のうち、復旧方針が決まったのは2割弱にとどまることなども報告された。

 県や熊本市は同日午前6時から、県や熊本市の職員計4500人を対象にした非常参集訓練も実施した。

 熊本地震の犠牲者は直接死50人、6月の豪雨の二次被害と認定された死者5人のほか、車中泊や避難生活による体調悪化などの震災関連死が170人。仮設住宅や県内外の民間賃貸住宅を借り上げた「みなし仮設」などに約4万7千人が暮らすなど、復旧と復興は道半ばにある。

 2017/04/14付 西日本新聞夕刊

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