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【おれんじ鉄道物語】(8)出田貴康社長に聞く 住民が手を振る存在に

「社員がチャレンジをする会社にしたい」と話す出田貴康社長
「社員がチャレンジをする会社にしたい」と話す出田貴康社長
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 八代市と鹿児島県薩摩川内市を結ぶ第三セクター肥薩おれんじ鉄道。社員やスタッフ、沿線の住民が通勤・通学の足を支え、地域振興へ力を合わせている。4月、社長に就任した出田貴康氏(61)に課題や今後の戦略を聞いた。

 -就任後の活動を。

 「熊本地震後、特にインバウンドを含む観光客が落ち込んでいたので、5月に台湾、香港のエージェント(旅行代理店)を訪ね、誘客活動をしてきた。一方、社員と意見交換しながら、新しい取り組みは何ができるのかを考えている」

 -見えてきた課題は。

 「旅行の個人化が進んでいる。エージェントだけ回っても、うまくいかない。新しい戦略が必要だ」

 「今進めているのはホームページのリニューアル。現在はできないネット予約と決済ができる形に変える。多言語化も行いたい」

 -強みについて。

 「揺れが少なく、非常に乗り心地がいい。車両自体のクッションもいい。線路をケアしている保線の社員たちが頑張っている」

 「海岸線をこれだけ長く走る列車は少ない、しかも海岸線の景色がいい。沿線のゆったり感もある。沿線のおもしろい情報を丹念に拾い、鉄道に乗る理由を提供するのが大切だ」

 -あらためておれんじ鉄道の役割を。

 「なぜ、地域がわれわれの鉄道会社を残す選択をしたのかを考えれば、行政と一体となって沿線の魅力向上に努めていかないといけない。地域の足として使いやすく便利にしていくのはもちろん、外からお客を連れてきて、地域内の観光を活性化する取り組みもしなければいけないと思う」

 -地元への対策は。

 「沿線の人は案外、貸し切り列車など営業内容を知らない方が多い。情報発信が重要だ。遠来客がほとんどのおれんじ食堂で、地元の人に親しんでもらえるスタイルもつくりたい」

 -リーダー像を。

 「業績が悪いからと言って縮こまってしまっては、やれることもやらなくなる。社員が意欲を持ち、チャレンジしていくような会社にしていきたい」

 -目指す鉄道像は。

 「住民からわが町をいつまでも走っている鉄道だと思ってもらえることかと思う。社員が頑張る姿が見え、『いつも頑張ってくれてありがとう』と言ってもらえる鉄道、手を振ってもらえる鉄道でありたい」

=2017/10/04付 西日本新聞朝刊=

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