西日本新聞

2009年01月14日

中学校給食 各教科と絡めて食育指導 柏木修教育長に聞く

 北九州市教委は昨年12月、来年度から市立中学校で段階的に給食の導入を始めると決めた。4月に施行される改正学校給食法では、給食の目的が「栄養改善」から「食育」へと大きく変化。給食は学校教育にどう生かされるのか。柏木修教育長に聞いた。

 -食育の観点から給食を「生きた教材」にするというが、どのような指導を検討しているのか。

 「食べる意味やバランスよく食事する大切さなど、トータルで指導する。具体的には、各教科と関連付けながら進める。例えば社会科では地産地消や発展途上国の食料事情、残食に関しては環境教育の視点でも取りあげることができる。健康作りの点では、体育の授業と関連付ける。指導方法については、教育委員会に横断的な組織を立ち上げ、研究を進める。同時に、小学校の給食指導も変化することになるだろう」

 -給食導入を検討した12月の教育委員会会議では、生徒の食事について、家庭との連携も指摘された。

 「昨年の学力テストと一緒に行われた生活実態調査で、市内の小中学生はテレビ視聴時間が長く、朝食を食べないなど問題点が明らかになった。食の乱れは生活の乱れ、さらに学力にまで影響していると考えられる。家庭では、食べることを中心に生活習慣を元に戻してもらうよう、啓発用の冊子を作製して呼び掛けたい。保護者が給食を試食する機会も設ける。適切な塩分量や野菜が取れる献立を実感してもらうためだ」

 -導入には多額の費用が必要だ。

 「全国約8割の中学校で、給食が実施されている。北九州市は今までその費用を使ってこなかったのだから、導入決定でやっと他都市と同じ状況になったと考えていい。食育は生活や学習の基礎になる。費用をかけるだけの価値がある」

 -給食以外にも取り組むべき教育施策は多い。

 「給食もその他の施策も、両方大切。給食以外の教育予算については来年度予算編成に向け、増額して要求している。重点を置く学力向上では、応用力を伸ばす教材の開発や授業改善に取り組む。スクールヘルパーなどの力を活用し、学校の事務軽減を図る地域支援本部の創設など、新しい事業も予定している」
 -全63校の中学校のうち、来年度給食が導入される中学校は10校程度の予定。段階的な導入で検討していきたい課題は。

 「まず残食の問題。世界の環境首都を目指す、という観点からも、(モデル校平均で11%の)残食率を市内の小学校並みの5%くらいにしたい」

 「モデル事業では食育指導まで踏み込むのが難しかったが、今後は教育の一環として体制を整え、実効性のある指導をしていく。バージョンアップしながら、次年度に導入する学校に生かしていく。小中学校の9年間の指導を通して、生きる上で最低限の調理技術や食品を選ぶ力を付けさせるのが理想だ」

 (聞き手は、北九州支社・畑中知子)


=2009/01/14付 西日本新聞朝刊=

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