2008年4月 1日

コラム「食卓の向こう側に寄せて」 食卓の向こう側取材班 渡邊美穂

食卓の向こう側取材班 渡邊美穂

●“合い言葉”で仲間広げて

 「食卓の向こう側」という連載が、最初に新聞1面に載ってから、この冬で丸5年。早いものです。
 「お腹がいっぱいになれば、何でもいい」というほど食に関心がなかった私ですが、取材を通して、自分の暮らしを根底から見直す気になりました。「このままじゃ、シアワセに生きられない」と思ったので…。

 体と心が元気になる食べ物を選ぶこと、自分が食べる物を知り、できるだけ自分でこしらえること、食べ物を作る土地・空気・水をできるだけ汚さないこと…。急に変われるものではありませんから、少しずつ、少しずつ。ズボラな私ですから、5年たっても要領は悪いままですが、それでも、生活のベクトルは今も変わっていません。

 ときどき、「どうして食のことに、これほどはまったんだろう」と考えます。私の場合、「次の世代に、私たちと同じ不安は持たせなくない」という所に行き着くようです。近所の川の水を飲んで遊び、釣った魚を夕食に。自分の町の空気をおいしく感じて、子どもの心身を健康にはぐくむ物を常食とし、いずれは新しい命を宿し、命を守る知恵をバトンタッチする…。そんなことを「普通のことよ」と言える世の中にしたい。そんな気持ちです。

 だから、「食」というキーワードでやっていますが、環境、教育、地域社会、政治など、テーマはいろいろ、つながります。新聞でいえば、「教育面」「生活面」「経済面」「社会面」「国際面」「地方版」など、別々の紙面に分類されることが、実はつながっている。

 市民グループやサークル活動も、同じかもしれません。掲げたキーワードは、環境、山林、海、山、子育て、地域づくり…と別個のようでも、実は根底でつながっている。それを結びつける合い言葉が、「向こう側」です。この合い言葉があれば、あっという間に、ゆるやかな仲間が広がります。

 この、「食卓の向こう側プラス」を、そうしたつながりの場、きっかけづくりの場として使っていただけたら、スタッフ一同、大喜びです。

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