西日本新聞

2010年05月10日

【元気野菜de元気人間(吉田俊道)】<8>カット済み野菜

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多くの栄養分が減少

 これまでの連載の中で、野菜パワー、旬の露地野菜が持つ未知のパワー、そして有機野菜のワンランク上のパワーについてお話ししてきました。今週からはそんな元気野菜のパワーを最大限に生かす食べ方です。

 スーパーに行くと、自分で切らなくても、すでに千切りにした野菜、ささがきして水に漬かったゴボウ、温めるだけの調理済み食品や弁当が売られていますね。まな板のない家庭もあるほど忙しい現代人にとっては大助かりなのですが、果たして中の栄養成分は、自分で調理した場合と同じなのでしょうか?

 例えば外食のさまざまなメニューにつくキャベツの千切り。あるお店の人に聞くと、異物が一切ないように、またシャキッとしたものを出すために、30分程度水に漬けているとのことでした。

 ビタミンCは水溶性だから、水に触れると切り口からビタミンCは流れ出るはずです。そこで長崎県食品衛生協会に依頼し、千切りキャベツを30分流水に漬けると、どれくらい栄養成分が減少するか測定してもらいました。

 すると、結果はグラフの通り、ビタミンCは何と3分の2、亜鉛は31%、カルシウムは27%が溶出していました。千切りによって細胞が壊れるわけですから、これ以外の成分も同様に減少していると思われます。

 サラダに限らず、調理原料の野菜も、切断後に洗うことが多いようですから、調理してすぐに食べる家庭とは違い、外で食べる野菜はどれくらい栄養成分が減っているのでしょうか。

 今の野菜自体が昔に比べて栄養分が激減しているのに、それからさらに養分を流出させ、サラダでちょこっと食べる。そんなことをしていたら、せっかくの野菜パワーはほとんどとれていない。だから、自分で作るサラダなら、食べる直前に切り、そのまま食べる方がいい。

 ゴボウも自分で切って、水に漬けずに調理したら、ずいぶんたくさんのビタミン、ミネラル、ファイトケミカルがいただけることになる。手作りのよさは、こんなところにもあったわけですね。

 これまで調理済み食品は、長持ちさせるために無菌であることと、異物混入していないことが絶対条件で、栄養成分はほとんど気にかけられていませんでした。

 カット済み、調理済み食品についても、できるだけ成分が抜けないよう製造工程を改良した商品がほしいものですが、それが実現するかどうかは、すべて消費者の声にかかっているでしょう。そんな商品があったら教えてください。
 (NPO法人「大地といのちの会」理事長)

=2009/07/05付 西日本新聞朝刊=

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