
「大豆は洗わずふきんでふくんです」とタミばあちゃん

麦みそ(左)と白みそ(中央)で作った豆腐のみそ漬け。右は梅酢で漬けた豆腐

豆腐はガーゼに包んで漬ける

大豆の梅酢漬け(右)と黒豆焼酎(左)
「今年のサンマはおいしいわよ」とほほ笑む“タミばあちゃん”こと料理研究家の檜山タミさん。本日掲載の料理コーナーの打ち合わせ中、意外なことを言いだした。「今ならなんとか間に合うお正月料理があるんだけど」。おせちを秋に準備? 早すぎない? と思ったら、保存食という。家族や友人が集まる年末年始にさっと取り出せる小鉢やおつまみは心強い。今週の「免許皆伝」は番外編です。
●黒豆焼酎や豆腐のみそ漬けを
おせちが派手になったのは戦後のことです。本来、正月は五穀(ごこく)豊穣(ほうじょう)を祈る日。ごちそうを食べる日ではありません。うちのお正月は、お供えの野菜を煮しめにしたり、大勢の来客には鍋物を振る舞うことも。保存食も活躍します。
収穫されたばかりの豆類は、秋の味覚のひとつ。さまざまな種類が店頭に並んでいます。そのうち黒豆は、甘く煮て料理のお重にも登場しますが、この時期に仕込むのは黒豆焼酎。火を通す必要はなく、約2、3カ月の熟成期間で豊かな香りが行き渡ります。もちろん焼酎としても楽しめます。
材料は黒豆1カップに対し、焼酎3カップ。焼酎は25度以上の乙類を使用する。豆は洗うと傷むので、固く絞ったぬれふきんで表面をふく。生のままの豆と焼酎をビンに入れたら、冷暗所で保存するだけ。豆が柔らかくなったら、食べられるようになります。
大豆でつくる一品は、年始の祝いに色を添える大豆の梅酢漬け。生の豆が深紅に染まる。黒豆と同様にふきんでふき、大豆1カップに対し、梅干しの汁2カップをビンに入れておくと、約3カ月で柔らかくなる。
季節ごとに少しずつ保存食を作っておけば、正月にはいろいろなものが食べられます。ほかにも、梅干しやミョウガの酢漬け、きゃらぶき、クリの渋皮煮などがあり、一年を通じて季節の素材で作ります。
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もう1品、正月に合わせて熟成させたいのが豆腐のみそ漬け。豆腐は1丁を半分ほどに切り、重しをしてしっかり水を切る。小さく切ると早く漬かりますが、崩れることがあります。豆腐はガーゼで包む。ガーゼは薬局などで購入でき、洗えば繰り返し利用できます。みそはなじみやすいように、みりんや酒でのばします。みそを敷いた密閉容器にガーゼで包んだ豆腐を入れ、さらにみそをかぶせる。
麦みそで作れば塩味の効いたおつまみに、甘みのある白みそで作れば子どもにも食べられる味に。1-3カ月で和風のチーズのような濃厚な味わいになっていきます。冷暗所に保存して1-2年はもちます。
=2009/11/04付 西日本新聞朝刊=