
暮らしの中の何気ない光景を切り取る。モニターを見ずにシャッターを切るノーファインダー撮影。予期せぬ1枚が撮れることも

カメラを地面につけて撮影。いろいろな角度や距離で撮ってみる。画面を斜めにするとより動きがでる

年賀状に使うために、干支のモチーフ(額の絵)を入れてみた。笑顔の時に声をかけてカメラ目線をもらうと自然な表情に

逆光で撮ると顔が暗くなる

露出補正機能を使うと明るくなる。ここではプラス2.5の補正をかけている
カメラを手にすると、身近な被写体となるのが家族。家族の写真を年賀状に使おうと思っている人も多いはず。人物写真や広告写真の世界で活躍するプロカメラマンの平川雄一朗さん(38)=福岡市=に撮影してもらい、コンパクトデジカメでも、ちょっと工夫するだけでレベルアップする方法を聞いた。
●普段の生活が伝わる場面選ぶ
私は「写真とは過ごした時間を伝えるメディア」だと考えます。1枚の写真で、その場にいなかった人にもその時の空気を感じてもらうことができるからです。
家族写真であれば、どんな状況や場面で撮影すれば、家族で過ごした時間やその時の空気感が写真を見た人に伝わるかを考えてみましょう。わざわざ旅行で特別な場所に行く必要はありません。
例えば、自宅に家族がお気に入りの場所があるはずです。大好きなインテリアに囲まれた部屋で撮ってみる。自然と笑顔や、普段の自然な姿や雰囲気が出ます。
そんな写真を年賀状に使えば、親近感が増すでしょう。
ポイントの一つとしてストロボを使わず、自然光で撮ることをお勧めします。代わりに、積極的に活用してほしいのが「露出補正」機能。露出をカメラ任せにせず、意図的に明るさを調整する方法です。
逆光で撮ると被写体が暗くなるため、嫌がる人も多いですが、背景が明るいと被写体がきれいに見える利点もあります。プラス補正すれば逆光を生かして柔らかい雰囲気にできます。
注意してほしいのは、露出補正は画面全体を明るく(暗く)するということ。一度撮ってみて、全体の明るさのバランスを確認しながら、目盛りの段階を変えて何枚も撮影しましょう。お気に入りが撮れるまで何度も挑戦できるのがデジタルカメラの利点です。
いつもの目線と違うアングルを意識しても面白いです。カメラをセルフタイマーにして床に置いて、レンズをのぞきこんで撮ったり、動き回る子どもと一緒に動きながら撮ったり。多少傾いたり、ぶれてもその時の空気感が伝わる気がします。
家族でもカメラを向けられると初めはレンズを意識するもの。最初はカメラから目線を外してもらい、話しながら笑顔を待って撮ったり、笑った時に流れで、カメラの方を向いてもらうと自然な笑顔で目線をもらえます。子どもの場合、遊べる小道具を持たせるとシャッターチャンスが増えます。
自分なりに面白いと思った写真は、どんどんプリントしましょう。写真という紙の存在感は、写真の良しあしを見る目を養ってくれます。お気に入りを見つけることで、次に撮りたい1枚が見つかります。
=2009/11/11付 西日本新聞朝刊=