
料理研究家・栄養士 山﨑雅子さん
かさむ昼食代、気になってきたおなかの肉…。そんな悩みに背中を押され、自ら台所に立って弁当を作る男性が増えているという。安くて、ヘルシー、そして手軽に続けられる男子の弁当術とは? 男性向け料理教室などで講師をつとめる料理研究家で栄養士の山崎雅子さん(60)=福岡県筑紫野市=に聞いた。
●定番の材料を賢く使い回そう
お弁当は少なくとも3、4品のおかずが欲しいもの。賢く材料を使い回しましょう。定番の具材である豚肉と卵で5日分のモデル献立を作ってみました。豚肉はしょうが焼き、煮物、野菜いため、青椒肉絲(チンジャオロースー)。こんにゃくを巻いて焼くと、ヘルシーながらも食べ応えがあります。卵は、ゆで卵や厚焼き卵のほか、スクランブルエッグ、ミックスベジタブルを入れた卵焼き、というふうに。十分に変化を楽しめます。
では、実践編です。ご飯とおかずを別に入れた弁当(1)ではタンパク質はサバのカレー風味焼きとソーセージ入りスクランブルエッグ。野菜はエリンギとピーマンのきんぴらとキャベツのごまあえ、ミニトマトを入れ、緑黄色・淡色の野菜を組み合わせています。素材の自然な色合いは、そのまま栄養バランスを表しています。
塩サバやサケはお弁当の万能選手。甘塩のものが冷凍保存が利き、そのまま焼いたり、しそ巻きにしたりと使い回せます。
弁当(2)は「八穀米でヘルシー」がテーマです。お薦めのおかずは、手軽でごはんに良く合う「ニンジンの鹿(か)の子(こ)炒り」。酒のつまみにもなります。ニンジン1本を千切りにしていため、途中で薄皮を除いためんたいこ1/2‐1腹と酒小さじ1を加えます。塩味は最後に調節して下さい。

弁当(1)
弁当箱に詰める分量は全体の半分が主食(ごはんまたはパン、めん)。残りの空間の1/2にはタンパク質(肉や魚、豆、卵など)を入れ、1/2は野菜。厳密に計る必要はありませんが、このバランスを目安にします。
おかずを詰めるときは、魚や卵焼きなど形が崩れにくいものから詰め、形が変えられる野菜類を最後に入れて仕上げます。汁気は雑菌が繁殖する一因になるので、キッチンペーパーで吸い取るほか、かつお節をまぶすのもひとつの方法です。水蒸気を逃がすため、具材が冷めてからふたを閉めましょう。梅干しのクエン酸も、殺菌にひと役。塩味を生かし、ゆで野菜とあえても一品出来上がりです。

弁当(2)
肩ひじ張らず、最初は2、3品のおかずから始め、慣れてきたら品数を増やして下さい。自分で台所に立つことで、食事や健康に対する意識も高まってくるでしょう。
●弁当(1)
・主食…ごはん(梅干し、かつお節付き)
・タンパク質…サバのカレー風味焼き、ソーセージ入りスクランブルエッグ
・野菜…エリンギとピーマンのきんぴら、キャベツのゴマあえ、ミニトマト
●弁当(2)
・主食…八穀米
・タンパク質…豚肉のしょうが焼き
・野菜…人参の鹿の子炒り、ブロッコリーのソテー
=2010/01/20付 西日本新聞朝刊=