
ペット探偵 主藤哲也さん
室内で飼っていたイヌやネコが、ちょっと目を離したすきに外に出て、いなくなった。一刻も早く見つけ出したいけど、どこから捜せばいいのか…。「ペット探偵」のベテラン、主藤哲也さん(44)=福岡市博多区=に、捜し方のポイントを聞きました。
●ビラ配布し目撃情報集めて
依頼は約8割がネコ、残りの約2割がイヌや小動物。家ネコの場合、部屋の中では放していることが多い。「来客で玄関ドアを開けたすきに」「洗濯物を干すためベランダへ出たすきに」など、小さな不注意で逃げ出しているようです。
ネコがいなくなったらまず、警察や各自治体の動物管理センターなどに知らせること。似たネコが収容された時、連絡が入ります。

ポスターには、いなくなった時間や場所、見つけた場合の連絡先を記載。しっぽの形や毛の色柄など、身体的特徴を書き込む。写真は全身の様子が分かるものを使用する
保護した人が、ペットショップや動物病院に届けるケースも多いので、ポスターやビラで情報提供を呼び掛けます。私が依頼を受けると、ビラは500枚ほど用意。スーパーや学校などに掲示を頼むだけでなく、各家庭にも配布します。
ネコの場合は、行動範囲に合わせ、ポスターを張り、ビラを配ります。捜すのは、行動時間の夜中から明け方にかけて。逃げた直後のネコは、人から見えない物陰や工事現場の資材の中など、行動範囲内でおびえてじっとしています。1週間を過ぎると、空腹で動きだすため、許可を得てから、ごみ捨て場や公園、草むらなどに、えさと自分のにおいが付いた使用済みのトイレの砂を置き、様子を見ます。ただし後で必ず撤去すること。
注意するのは、ネコを発見しても追い掛けないこと。飼い主でも驚いて逃げ出します。えさを持って名前を呼び、近づいてきたところを捕まえます。また、意外と家に戻ってきているケースが多いのですが、その際に戸が閉まっていて入れないと、再びいなくなってしまいます。ネコを待っている間は、少し戸を開けておくことも有効です。

公園の植え込みに、使用済みのネコ用トイレの砂(右)とえさ(左)を置いてみる。後で必ず撤去する
逃走を防ぐには、えさを「腹八分目」にあげること。ネコが「また食べたい」と思う状態を常に作ります。首輪には連絡先などを記載しておきます。福岡市は、番号を記録したマイクロチップの埋め込みも推奨。私が過去に経験した例で、逃げ出したネコを保護した人が「自分のネコだ」と主張し、DNA鑑定で争ったことがありました。個体を特定するのにも、チップの埋め込みは役立ちます。
一方、イヌの行動範囲は2-10キロと広い。パニックになって、どんどん遠くへ行く傾向があるため、時間との勝負です。ポスターなどで情報を集めながら、目撃情報を頼りに、捜索範囲を広げて行かざるをえません。ビラ配布の範囲も広げます。イヌは、昼間から日没まで行動するので、それに合わせて捜索します。
迷いネコや迷いイヌは拾得物です。保護した人は、警察へ届け出てください。
=2010/02/03付 西日本新聞朝刊=