どうする年金改革<4完>福岡県社労士会世話人に聞く
2011年02月26日 02:54
●「最低保障で」「個人単位に」 見直し論多く
専業主婦の権利か、優遇か、論争が続く第3号被保険者制度。高度成長期のモデルである「サラリーマンと専業主婦の妻」という片働き世帯が減り、共働きの方が多い今、年金改革ではその存廃も論点になりそうだ。福岡県社会保険労務士会・年金部会(熊谷則政部会長)の世話人10人へのアンケートでも、同制度について意見を聞いた。
10人には選択肢を示し質問した(一部複数回答)。
このうち5人は「最低保障年金を導入し、扶養かどうかや職種、雇用形態、収入によらず、誰でも最低限の年金が保障される制度にする」に賛同。年金一元化も含めた政府・民主党案に沿う考えで、個人単位の年金保障で第3号被保険者の問題を解消する立場だ。
熊谷さんは同制度を「不公平」と指摘した上で「最低保障年金か、現行制度の基礎年金部分を全額国庫負担にし、最低限の年金を保障する(自民党案に近い)方法でもよいので、廃止すべきだ」と訴える。
4人は「保険料負担は個人単位で考えるべきで、サラリーマンの妻の専業主婦だけ特別扱いする必要はない」を選択。ただ、自営業者は所得の正確な把握が比較的難しく、納税面ではサラリーマンより有利とされることもあり「税制も含め、総合判断する視点も必要だ」との声もあった。
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労働時間や日数が「正社員の4分の3以上」という厚生年金の加入要件や、「年収130万円未満」の扶養基準を考え、パートのまま夫の扶養に残る-といった選択をする女性が少なくない。こうした実情の中で「現状維持でよい」を選んだ人はいなかった。
雇用側が制度を逆用し、女性の求人を非正規に偏らせる傾向も根強く「社会進出を阻む障壁だ」との指摘も。2人は廃止を唱え、佐々木秀美さんは「男女とも働く社会情勢にあっては、年金は個人単位で考え、配偶者の加入制度に左右されるべきでない」と主張。厚生・共済年金の長期加入者が、65歳未満の妻(配偶者)などを扶養する場合に上乗せ支給される「加給年金」も撤廃していいという。
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3人は修正案を選択。うち2人は「非正規、正規に関係なく、すべて厚生年金に加入させ、無職は従来通り第3号被保険者と扱い、加入関係を整理する」を選択。鶴田喜代子さんは「第3号被保険者も国民年金の保険料(1万5100円)の半額程度は夫の給与から天引きしては。ただ、育児や介護期間は免除する」と提案した。 =おわり
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●第3号被保険者制度 専業主婦で格差
第3号被保険者制度は1986年、主婦の年金権確立を目的に導入された。
対象は、会社員や公務員など厚生・共済年金に加入する第2号被保険者の妻(配偶者)で専業主婦(被扶養配偶者)。昨年3月末現在で1044万人を数え、国民年金の保険料を負担しなくても、要件を満たせば年金を受け取れる。同じ専業主婦でも、自営業者の妻は国民年金保険料の負担があり、以前から不公平との指摘がある。
女性の社会進出に伴い、共働きが片働きの世帯数を上回ったのは、90年代から。さらに最近は、低賃金の非正規雇用が就労者全体の3割を超え、夫の収入だけでは家計が成り立たず、妻が勤めに出るケースも目立ってきた。
夫が非正規で厚生年金に加入できなければ、専業主婦の妻の分も国民年金保険料を払うことになる。夫の就労形態と加入年金の違いで生じる負担の格差も、新たな問題点だ。
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