
1番人気のコクヨの遺言書キット=福岡市・天神の天神ロフト
文具メーカーや出版社から発売されている「遺言書キット」が話題を呼んでいる。イラストで書き方を解説した“虎の巻”も付いており、福岡市の雑貨店や書店でも、一部で品切れが出るほどの人気ぶりだ。
1番人気は、コクヨ(大阪市)が昨年6月に発売したキット。社員が実際に遺言を書こうとしたが、法的に有効な文書づくりに手間取った経験から発案した。
注意点の図解▽コピー防止機能付き用紙▽開けると元に戻せない封筒▽下書き用紙▽保管台紙-の5点セットで2415円。消費者調査で30―40代の女性の関心が比較的高く、分かりやすさに配慮して商品化した結果、これまでに約3万部を販売し、生産が追いつかない状態という。
福岡市・天神でも、雑貨店のインキューブが8月中旬に20部を店頭に並べ、2週間で完売。天神ロフトでも40―50代を中心に、家族連れが目立つという。ジュンク堂書店福岡店は、出版社の二見書房と永岡書店のキットを販売。妻と来店した福岡県春日市の増田好八郎さん(65)は「85歳の母が元気なうちに、最期について、互いに良い形で話し合えたらと思って買いにきました」と話していた。
こうした傾向について、遺言書の相談などに応じる福岡相続サポートセンター(福岡市)の相続コーディネーター江頭寛さん(43)は、法定相続人でない嫁が介護した場合の財産の分け方や、親が認知症になったらどうするかなど「高齢化社会ならではの問題が増え、遺言書の重要性が認識されるようになってきたのでは」と分析していた。
=2010/09/03付 西日本新聞朝刊=