▼官製談合・汚職

 県警が昨年11月、強制捜査に入った県発注事業をめぐる官製談合事件は1月22日、競売入札妨害(談合)罪で起訴されていた前知事安藤忠恕(ただひろ)被告(66)が事前収賄と第三者供賄の疑いで再逮捕され、汚職事件に発展した。

 一連の事件では16人の逮捕者を出し、県政を大きく揺さぶり、タレント出身で政治経験のない東国原英夫新知事を誕生させ、強固だった保守地盤を突き崩す政治的奔流を招いた。ただ、起訴されたのは安藤被告ら4人で、その公判は3月から始まり、事実解明の舞台を法廷に移した。

 焦点の安藤被告は7月20日に初公判が開かれ、起訴事実を全面否認し無罪を主張した。しかし、宮崎地裁は10月16日、安藤被告の共犯として事前収賄と談合の罪に問われた元後援会幹部の石川鎮雄被告(69)に懲役1年2月の実刑判決を言い渡した。判決では石川被告と安藤被告との共謀を事実認定。無罪主張の姿勢を崩していない安藤被告は窮地に立たされた格好となった。石川被告は控訴した。

 また、安藤被告の側近で、談合罪に問われた前県出納長江藤隆被告(64)に対して12月5日、懲役1年が求刑された。判決は来年1月16日、言い渡される。贈賄側のヤマト設計(東京)元社長二本木由文被告(57)=贈賄と談合の罪で公判中=の審理も進み、来年1月15日、求刑が出される予定だ。

 ▼延岡放火殺人

 4月、延岡市で計6件の連続不審火が起こり、住民に戦慄(せんりつ)が走った。28日未明、延岡市上大瀬町、自営業甲斐志郎さん=当時(41)=方から出火し、甲斐さんが死亡。同居していた甲斐さんの母親が大やけどを負った。

 別の窃盗容疑で逮捕されていた同市の無職児嶋清二被告(38)が甲斐さんを狙った放火殺人をほのめかし、7月10日、殺人と現住建造物等放火容疑で再逮捕された。児嶋被告は甲斐さんと私的トラブルがあり「甲斐さんを殺すためにライターで火を付けた」などと供述。現在、宮崎地裁延岡支部で公判が続いている。

 ▼公選法違反

 今春の県議選に絡み、長男を当選させようと支援者らに現金を渡すなどしたとして、前自民党県連会長で元県議の川添睦身被告(74)が公選法違反(買収など)容疑で逮捕されたのは4月12日。

 川添被告は1審宮崎地裁で懲役1年6月、執行猶予5年の有罪判決を受けた。二審福岡高裁宮崎支部でも一審判決が支持され、控訴を棄却されたことから川添被告は最高裁に上告した。

 川添被告の懲役刑が確定すれば、宮崎市区で当選した長男博県議(46)は連座制により失職する可能性がある。

 ▼弁護士逮捕

 汚職は県政にとどまらなかった。12月5日、背任罪で起訴されていた旧北浦町(現延岡市)元助役の甲斐昭被告(64)が加重収賄の疑いで再逮捕された。甲斐被告は助役だった2003年12月下旬ごろ、元町議(元延岡市議)の住民税の追徴課税を不正に免除した見返りにわいろとして計十数万円相当の現金と商品券を受け取ったとされる。

 同事件をめぐっては甲斐被告の妻=当時(60)=が県警から受けた事情聴取を苦に遺書を残し自殺。11月20日に遺体が発見された。県警は「取り調べは適正かつ慎重に行った」としている。

 ▼助役が加重収賄

 宮崎地検は10月9日、既に証拠隠滅の罪で起訴されていた東京弁護士会所属の弁護士山本至被告(52)を脅迫容疑で逮捕した。山本被告は東京で弁護を担当する振り込め詐欺事件の男性被告に対し「黙秘しろ」などと脅したとされるが、宮崎県弁護士会所属の弁護士らが中心となって300人以上の弁護団を結成し「逮捕は控訴権の乱用で、弁護活動への不当な介入だ」と検察側を強く非難。山本被告も初公判で無罪を主張し、検察側と全面対決している。

=2007/12/28付 西日本新聞朝刊=