●34年ぶり1部減の大規模改革 「公約」実現へ3局

 【解説】東国原英夫知事が初めて本格的に編成した当初予算案は、財源調整のための財政調整基金を現行(約500億円)から半分以上取り崩しての苦しい編成作業となった。

 国と地方の税財源のあり方が見直された「三位一体の改革」で県は直撃を受け、2004年度から3年間で地方交付税とその代替財源の臨時財政対策債が計363億円も減らされた。08年度は地方税の偏在是正に伴う特別枠措置で前年度比1.9%増加したものの、景気低迷による県税収入の減少や高齢化による社会保障関係費の増加で286億円もの財源不足に陥り、まるまる基金から穴埋めする。

 こうした厳しい財政状況の中、県費負担が年間2億円も増えるにもかかわらず、幼児の医療費助成の対象拡大に踏み切ったのは、知事も「英断した」と言うように、県民生活への配慮がうかがえ、一定の評価はできる。

 だが、一方で「組織の連携不足ではないか」と首をひねる部分もある。重点施策に掲げた中山間地域対策もその1つ。農政企画課が、中山間地域の産業振興に県と市町村が基金を拠出する「きらり輝く山間地域農業活性化プロジェクト事業」(1億500万円)を打ち出せば、総合政策課が、事業内容が一部重なる「中山間地域活力再生事業」(1700万円)を掲げている。

 また、政局の焦点となっている道路特定財源の暫定税率問題が大きな影を落とす。県は暫定税率の維持を前提にして税率分118億円を盛り込んでいるが、廃止となれば、国県道の新設・整備は全面ストップする事態に追い込まれるという。

 さまざまな不安要素を抱えながら、基金を財政改革計画より下回る213億円(08年度末)にまで減らす中、財政健全化は最大かつ喫緊の課題だ。

 県財政課は「(歳出面で)ぞうきんが乾ききった。特効薬はない」としているが、基金が枯渇し予算編成が困難になる前に既得権益にとらわれないすべての事業の聖域なき見直しが必要だ。

 (宮崎総局・郷達也)

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 県は14日、2008年度組織改正案(4月1日付)を発表した。総合政策本部と地域生活部を統合し、県民起点の政策立案や推進を図る「県民政策部」を新設、34年ぶりに知事部局を一部削減し8部から7部体制とするなどの大規模改革となった。

 東国原英夫知事にとって実質的に初めて手掛けた組織改正で、「ドラスチックな改革ができた」としている。これで知事は「東国原体制」ともいえる組織体制を整え、任期の残り3年の県政運営にあたる構えだ。組織改正案は21日開会の2月県議会に提案される。

 改正案によると、組織削減数は15(前年度比13増)。新組織数は、会計管理局を含む8部と、本庁の61局・課、82出先機関の計143。

 県民政策部は、知事が掲げたマニフェスト(政策目標を具体的に示した公約)を実現する「新みやざき創造戦略」推進本部事務局とし、県民協働の推進や、より質の高い県民生活実現を目指す。

 また、マニフェストの重点項目達成のため、「こども政策局」「企業立地推進局」「観光交流推進局」の3局を新設。こども政策局は、合計特殊出生率全国2位を目指して少子化対策強化など子ども関連業務を一元化する目的で、企業立地推進局は新規立地企業100社に向けてそれぞれ設置した。観光交流推進局は県外観光客数年5%増、移住100世帯などを促進する目的でつくり、ここに知事のトップセールスを支える「みやざきアピール課」を置く。

 このほか、総合政策課内に「中山間・地域対策室」を設置。地域生活部の生活・文化課などを「生活・協働・男女参画課」に再編する。公共工事の品質確保に公共3部の検査部門を集約した「工事検査課」も設置する。

 出先機関は、地域農業改良普及センターを農林振興局に内部組織化するなどして13機関削減する。

=2008/02/15付 西日本新聞朝刊=