地方分権改革などを目玉に掲げ、超党派の国会議員連合と合同発足総会を開いた政策集団「国民連合せんたく」。九州・山口からも首長らが多く参加した背景には、疲弊が進む地方の危機感がある。だが、「2人三脚」を組む議員側には、政界再編などをにらんだ政治的思惑もうかがえ、どこまで政策本位の取り組みとなるかは見通せない。

■疲弊する自治体首長ら危機感 国会議員、再編に思惑

 「医師不足や限界集落など大きな課題がのしかかっているが、対応できない」(飯泉嘉門・徳島県知事)。総会では、財政難に苦しむ地方の自立を訴える発言が目立った。

 会員のうち地方の首長、議会関係者は計121人(九州・山口は26人)に上る。発起人の1人、東国原英夫・宮崎県知事は、総会は欠席したものの宮崎県庁で記者団の取材に応じ、「今の国政に不満や不信があるから」と指摘。幹事に就任した横尾俊彦・佐賀県多久市長も「例えば、消費税の在り方も議論しないと地方財政は持たない。そんな本質的な討議の場を国民が求めている」と述べ、国会の現状に否定的な見解を示した。

 地方側の最大の期待は、中央省庁の“抵抗”で具体論が進まない分権論議。山田啓二・京都府知事は「霞が関という、ゆがんだパイプを通さずに済む」と、議員側と連携する利点を強調した。

 だが、議連に名を連ねた自民、民主、公明、国民新各党計107人の本音は心もとない。衆参「ねじれ」国会の下、与野党の枠を超えたさまざまな議員連携の動きが加速しており、この議連も、再編や連立をにらんだ地ならしとの憶測が広がる。

 ある自民党派閥幹部は、国会が空転する中での盛況ぶりを「乗り遅れたくないという議員心理」とばっさり。出席した九州の議員の1人も「派閥領袖の指示で、顔触れを確認するのが目的」と打ち明けた。

 議連の共同代表に就任した河村建夫(自民)、野田佳彦(民主)両氏は、あらためて政局的発想を否定。「垣根を越え、胸襟を開いて」議論した成果を各党に持ち帰り、財源など裏付けを明記したマニフェスト(政権公約)作成に努める決意を示した。本気度は、次期総選挙で打ち出す公約の内容で評価されることになる。

 (東京報道部・三宅大介、高野靖之)

=2008/03/04付 西日本新聞朝刊=