【長崎】中村知事3選出馬表明 県議会各会派の思惑交錯 共産は独自候補擁立急ぐ

3選出馬を表明した中村法道知事
3選出馬を表明した中村法道知事
写真を見る

 来年2月4日の知事選投開票日まで2カ月余というタイミングで、中村法道知事(66)が3選出馬を表明した。県政のかじ取り役を誰が担い、どう支えていくのか-。27日開会した県議会11月定例会の本会議で立候補の意志を聞いた各会派からは、さまざまな声が上がり、思惑が交錯した。

 「まいた種が花を咲かせ始めた。果実を県民に還元したい」。出馬の決意を樹木にたとえて表現した中村氏。近い立場の県議から「早く表明を」と背中を押され、当初は9月定例会で表明するとの観測もあったが、この日までずれ込んだ。

 その理由について、中村氏は本会議後の会見で「衆院選(10月22日投開票)があり、自らのことで動き始めるのはどうかと思った」と説明。だがもう一つ、県議会最大会派だった「自民党」が分派した問題が決断に大きく影響した。

 多数派を占める現在の「自民党・県民会議」はもとより出馬を求める立場。これに対し、分派した「自民党」は慎重だった。この日も、県民会議会派長の中島広義県議は「3期目をしっかり果たしていただきたい」と賛同したのに対し、自民党会派長の瀬川光之県議は「2期8年で成果が出ている面もあれば、出ていないところもある。しっかり検証が必要」と慎重に言葉を選んだ。前回の選挙で知事を推薦した自民党のこうした姿勢を知事も見守る必要があったとみられる。

 公明党県本部幹事長の川崎祥司県議は「人口減少などのテーマに真剣に取り組んでいる。ただ『花』が咲いていない課題については真摯(しんし)に受けとめてほしい」。公明は前回知事選で中村氏を推薦し「良好な関係を保ってきた」(県本部幹部)といい、今回も要請があれば「推薦」を検討する。

 「手堅いが、これまで掲げてきた所得向上対策は成果が出ていない」と話すのは民進党会派の渡辺敏勝県議。旧民主党は、中村氏が初当選した2010年知事選では対抗馬を推し、14年の再選出馬の際には一転、支持した。党の分裂余波で、渡辺氏は「現在のところ民進に候補を立てる体力はない」とした。

 共産党は候補者の擁立作業を急ぐ。党県委員会副委員長の堀江ひとみ県議は「知事は議場で『県民と同じ目線に立ってきた』と語ったが、石木ダムなどの問題では言葉と行動がかけ離れている」と批判。知事選を見据え「県民の暮らしの負担軽減を大切にしたい」と語った。

   ◇    ◇

「政策の成果示したい」 記者会見の主なやりとり

 中村法道知事は27日の記者会見で、3期目を目指す意気込みを語った。主なやりとりは次の通り。

 -出馬決断の理由は。

 「地方創生の総合戦略を策定し、人口減少対策などの政策で少しずつ動きが見え始めている。(3期目で)県民に成果を示したいと思った。長期的な課題も数多い」

 -2期8年の実績は。

 「産業振興に伴う雇用の確保は順調に推移している。課題は県民所得の向上。移住、定住政策では、長崎に住むようになった若者が予想を超えて増えている」

 -出馬表明が、告示(1月18日)まで2カ月を切った時期にずれ込んだ。

 「現職知事として目の前の課題を最優先した。10月は急きょ衆院選となり、自らの選挙のことで動き始めるのはいかがなものかと思った。結果として今日になった」

 -3期目で新たに取り組みたいことは。

 「県民の健康寿命を延ばし、安心して暮らせる環境を整備したい。成長分野であるロボットや(あらゆるものをインターネットにつなぐ)『IoT』などの関連産業を育成、誘致し、地域を担う基幹産業にしたいとも考えている」

=2017/11/28付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]