【福岡】構図流動化 戸惑いと期待 久留米市長選・中西氏が出馬断念 立候補予定の3陣営

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 来年1月の久留米市長選について、経営コンサルタントの中西博紀氏(59)が立候補の断念を発表した。市長選に出馬を表明している元民進党参院議員の大久保勉氏(56)、元商社社員の田中稔氏(64)、元久留米大教授の宮原信孝氏(59)の3陣営は戦いの構図の流動化に戸惑いつつ、票の取り込みに期待感を示した。

 中西氏は田中、宮原両氏と同じく、現職の楢原利則市長の政策に対し刷新の立場を取っており、市政継承を訴える大久保氏との立場の違いが鮮明だった。

 大久保氏の後援会幹部は、刷新派だった中西氏の支援者がほかの2人に流れる可能性について警戒感を示しながら「多くの企業、病院に浸透しつつある。中西氏の支援者を取り込みたい」と話した。

 一方、宮原信孝氏の陣営幹部は、現職の批判票が集中するとの見方について「必ずしも有利になるとは思っていない」と冷静に受け止め「こちらの訴え次第のところが大きい」と表情を引き締めた。

 田中稔氏は「驚きはないし、私は私の戦いをするだけ。本命、対抗に立ち向かう大穴として頑張りたい」と話した。

■現職批判票の行方に思惑

 久留米市長選への立候補を取りやめた中西博紀氏は、地場の有力な企業や病院の幹部が支援を表明し、既に医療団体の推薦を取り付けるなど、一定の支持を得ていた。それだけに他の陣営関係者は、今後の中西氏の動きや、票の行方を注視している。

 中西氏を含む4人が出馬を表明していた市長選は、今期限りで引退する楢原利則市長の市政継承を強調する大久保勉氏に対し、中西氏、田中稔氏、宮原信孝氏はそれぞれ主張は異なるが、市政刷新の立場で、現市政への評価を軸にした構図が浮かび上がっていた。

 中西氏の出馬取りやめは、現市政への批判票がまとまりやすくなり、前回市長選で楢原氏に約1万5千票差に迫った宮原氏に有利に働くという見方がある。実際、水面下では中西氏と宮原氏の一本化を模索するような動きもあった。一方で、中西氏を支援する企業関係者が、地元経済団体が後押しする大久保氏の支援に流れるという分析もありそう単純ではなさそうだ。

 中西氏は取材に「もう一市民に戻った」と語り、特定の陣営を支援する考えを否定するが、早速、中西氏に秋波を送る動きも出ている。「票の奪い合いになる」。ある陣営幹部は皮算用を始めている。

=2017/12/01付 西日本新聞朝刊=

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