【熊本】「地元企業の投資支援」 水俣市長選 初当選の高岡氏抱負 水俣病問題「対話を促す」

初当選が決まり、支持者と万歳する高岡利治氏(前列左)
初当選が決まり、支持者と万歳する高岡利治氏(前列左)
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 4日投開票の水俣市長選で、初当選した無所属新人で前市議の高岡利治氏(59)は一夜明けた5日、市内で記者会見し、「地元企業が設備投資をし、雇用の場を作れるように支援していきたい」と抱負を語った。水俣病問題については「被害者の補償・救済と地域経済の活性化は分けて考えないといけない」とした上で「原因企業と患者・被害者団体の対話を促し、互いの不信感を取り除く作業に取り組みたい」と述べた。

 高岡氏は、自民系市議や原因企業チッソの事業子会社JNC労組の全面支援を受けた。同市長選は2006年以降、非自民系の勝利が続いただけに、距離を置く同労組関係者は「ようやく声が届きやすくなる」と歓迎。高岡氏は「疲弊した街を憂える声が多く、経済の活性化策を強く訴えたことが支持につながった」と分析した。

 水俣病を巡っては、09年成立の水俣病被害者救済法に盛り込まれたJNCの上場時期が焦点になっている。高岡氏は「市の再生、発展に関わるので(上場に向け)地元として国、県にお願いしていく」と前向きな意向を示した。条件の一つである「救済の終了」については「司法での決着が目安になる」と述べ、係争中の認定などを巡る訴訟の判決確定が区切りになるとの認識を表明した。被害者側は「チッソの免責と消滅につながる」と警戒する。

 副市長人事に関して高岡氏は「行政経験、ノウハウを持った方を据えたい」と強調。相手候補を応援した議員が多数を占める市議会対策は「腹を割って話しながら賛同していただく形を取っていく」と説明した。

 一方、再選を逃した無所属現職の西田弘志氏(59)は、取材に「私の力不足。(JNC労組などの)組織力に負けた」と述べ、陣営幹部は「市民目線の戦いが通じなかった」と肩を落とした。支持者の一人は「実績を浸透させられなかった。西田氏が選挙戦直前に体調を崩したことも響いた」と話し、告示直前に企画されていた公開討論会が中止になった点などを嘆いた。投票率は過去2番目に低い65・52%だった。

■水俣市長選最終得票

当 7,328 高岡 利治 無新
  6,547 西田 弘志 無現

=2018/02/06付 西日本新聞朝刊=

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