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1型糖尿病の少年 漫画に

主人公がインスリンを自己注射する場面も描かれている((C)山田圭子/プリンセスGOLD 秋田書店)
主人公がインスリンを自己注射する場面も描かれている((C)山田圭子/プリンセスGOLD 秋田書店)
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「Hello,world」を描いた山田圭子さん
「Hello,world」を描いた山田圭子さん
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 「糖尿病を患う子ども」にどんなイメージを抱くだろうか。「お菓子やジュースばかりで育った肥満児」などと思った人はどうぞ、このコラムに最後までお付き合いいただきたい。

 まず確認しておきたいのは、糖尿病には1型と2型があること。糖尿病専門医で福岡市健康づくりサポートセンター長の三村和郎さん(59)によると、日本では糖尿病患者の大半が2型。血糖値を下げるインスリンの分泌量や働きが低下しているもので、遺伝が基礎にあり、肥満や運動不足といった生活習慣で発症する。患者像の典型はメタボ体形のおじさんやおばさんだ。

 1型は、インスリンを作り出す膵臓(すいぞう)のベータ細胞が壊され、インスリンが絶対的に欠乏してしまうものだ。インスリン注射をしないと死を招くため、患者は基本的に毎日、自己注射する必要がある。ベータ細胞が壊されるのは、免疫機能の異常が原因と考えられているが明確には分かっていない。断言できるのはぜいたく病ではないことで、子どもの発症が多いのが特徴だ。

 つまり「糖尿病を患う子ども」は1型の場合が多いことを、私たちは知っておくべきなのだ。

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 1型の理解にうってつけの漫画がある。北九州市門司区に住む漫画家山田圭子さん(48)が月刊漫画雑誌「プリンセスGOLD」の1月号で発表した「Hello'world」。

 主人公は小学6年の男の子。1型を患うものの野球のエースを目指す物語だ。恋も展開する。

 山田さんは、この作品を1型の啓発のために描いたわけではない。主人公を1型にしたのは物語性を高めるためで、より深く人間性を表現できたという。他の病気でなく1型を選んだのは、姉の康子さん(49)が子どものときから1型で、病気についていろいろと聞くことができ、リアリティーを高めるのに最適だったため。康子さんの主治医である横溝内科クリニック(同市)の横溝由史院長にも内容確認で協力してもらい、作品を仕上げた。

 読み切りで64ページ。インスリン注射を「麻薬じゃーん」とやゆするセリフや、主人公がインスリン注射を無断でやめて高血糖昏睡(こんすい)を起こす場面もあるが、感動的なラストで1型のことも自然と頭に入る。山田さんは「漫画制作中、家族でもピンとこなかった1型のことが心に染みこんできた」と話しつつも「あくまで、少年少女のみずみずしい物語として読んでもらえたら」と語る。

 康子さんは「血糖コントロールがうまくできなくて気持ちが沈んだりすることがあるけれど、妹の漫画を読み、あらためて力が湧いた」と言う。

 ◇1月号(690円)の書店販売は終了。在庫の問い合わせは秋田書店販売部=03(3264)7247。=2014/01/17付 西日本新聞朝刊=

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