子宮頸がん 自分で検査 長崎大 五島市で無料キット 年内に 受診率向上へ試験導入

HPVの自己検査キット
HPVの自己検査キット
写真を見る

 若い女性に増えている子宮頸(けい)がんを予防する仕組みづくりを、長崎大が年内に長崎県五島市でスタートさせる。大学の研究事業として、自己検査キットを一般女性に無料で配布し、検診率の向上を目指す。自治体による定期検診の受診率が低迷する中、特に離島など婦人科医が不足している地域で、がん予防のモデルケースとして普及させたい狙いだ。

 研究事業は、五島市の協力を得て試験導入する。過去に検診を受けていない市内の20歳以上の女性にキットを郵送。対象となった女性は、キットを使い自宅などで分泌物を採取し、検査会社に返送するだけでよい。

 キットで調べるのは、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の有無。分析結果が長崎大に報告され、感染していた場合は産婦人科で詳しい検査を受けるよう促す。

 子宮頸がんは年間約1万人がかかり、約3千人が死亡。ほとんどが性交渉で感染し、近年は性の低年齢化もあって20~30代の感染が目立つ。ただ、HPVに感染しても9割以上は2年以内に自然消失し、感染者もがんになるまで10年前後かかる。そこで早期発見のため、自治体が定期検診を実施しているが、受診率は24・5%(2009年)で70~80%の欧米に比べ極端に低い。五島市も21・4%(11年)と低迷している。

 キットの価格は数千円だが、ほとんど市販されていない。自治体が費用の全額や一部を助成する制度をつくれば、受診率向上が期待される。長崎大産婦人科の増崎英明教授は「病院に行くのが恥ずかしい、アクセスが不便などの理由で検診を受けない女性があまりに多い。五島での試みが各地に広まってほしい」と話している。

 =2014/01/14付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]