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風邪薬を処方する理由

 「風邪の原因はウイルスだが、それをやっつけるのは患者自身の免疫力。ウイルスが外から体内に攻め込んできたら、抗体がやっつけてくれる仕組みだ」

 「せき、たん、鼻水は体内のウイルスを外に出そうという正常な反応。なのにせき止め、鼻水止めなどを使ったら、ウイルスを体内に閉じ込めておくことになり風邪は治らない。また、発熱で体温が上がれば免疫力もアップするのだから、解熱剤で熱を下げてはいけない」...。

 先日、救急医療が専門のA医師からこんな話を聞いた。A医師は結論として「風邪は風邪薬で治らない」と強調し「それなのになぜ、医者は風邪薬を出すのか。処方箋料でもうかるからだ」とばっさり。「(医療現場で)矛盾にぶち当たったら金の流れを考えて」と訴えた。

 さらに、製薬会社が医者との関係を強め、薬をより使ってもらおうとしているとも語った。そして「(過去に)自分も製薬会社と癒着していた」と告白。「講演をちょっとしただけで講演料5万、10万円は当たり前」「ボールペンなどの文具提供も当たり前」「病院の当直勤務のときに、すし弁当の差し入れがあった」と打ち明けた。

 医者の大半は患者を治すことを最優先に仕事に打ち込んでいると思う。風邪薬は、苦痛である高熱やせきなどの症状を和らげたり、患者の体力消耗を防いだりする方が大事と判断して処方することが多いのだろう。ただ、これまでの取材で患者本位でない医者もいただけに、A医師の話を紹介した次第だ。

 病気やけがをしたとき、医者任せにせず、治療の効果とリスクを医者に質問して、最善の策が何かを自分でも考えられるようにしたい。それがわが身の健康を守り、医療費の無駄をなくすことにつながると思う。

 (西山忠宏)=2014/02/07付 西日本新聞朝刊=

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