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大学禁煙拡大中 誓約書、入学条件、面談... 喫煙デビュー防ぐ

福岡工業大のキャンパスには「学内全面禁煙」ののぼりがはためく=福岡市東区
福岡工業大のキャンパスには「学内全面禁煙」ののぼりがはためく=福岡市東区
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 医学・薬学系の大学を中心に、キャンパスの禁煙化が進んでいる。九州でも学内を全面禁煙にする大学が増え、学生に禁煙誓約書を提出させる学校も現れた。社会全体に禁煙ムードが広がる中、大学側は学生への禁煙教育を社会的責務ととらえ始めているようだ。

 「学内では喫煙しません」。福岡市の第一薬科大は2013年4月、キャンパスの全面禁煙に踏み切ったのを機に、約1100人の学生全員に「禁煙誓約書」を提出させている。今のところ違反者はいないが、3回以上違反すれば謹慎処分も科す徹底ぶりだ。

 熊本市の崇城大薬学部は10年度から入試募集要項に「非喫煙者を対象とする」と明記。長崎県佐世保市の長崎国際大薬学部も12年度から大学案内の学生の条件に「非喫煙を含め健康に留意する強い意志を持てる人」と記している。鶴崎耕一事務局長は「薬剤師や医療従事者は禁煙指導も担う。自分が吸わないのは当然ということで、非喫煙の明記に踏み切った」と話す。

 鉄は熱いうちに打て‐。大学側には喫煙の「大学デビュー」を防ぎたい狙いもある。厚生労働省の調査によると、男子高校生で「月に一度でも喫煙の経験がある」割合は1996年に30%を超えたが、2012年は5%どまり。価格上昇や自動販売機に成人識別カード「taspo(タスポ)」が導入された影響とみられる。

 一方、久留米大が昨年、文系学生に行ったアンケートでは、喫煙者の割合が1年の1・9%から、2年は9・3%、3年は16・7%、4年は25・6%と、学年が上がるにつれて増加していた。同大禁煙推進委員会の豊増功次委員長は「入学時、多くの学生は喫煙をしていない。大学生になってから喫煙を始めるのをいかに防ぐかが重要」と語る。

 喫煙をやめさせる対策に乗り出した大学も。九州大は10年度から「卒煙Qプログラム」を導入した。禁煙を希望する学生を対象に3カ月、保健師が週1回の対面指導をして禁煙に導いている。西南学院大も昨年度から医師や保健師による禁煙面談を始めた。

 ただ、11年4月から全面禁煙にした福岡工業大は、近くの公道や公園で学生による吸いがらのぽい捨てが急増し、近隣住民から苦情が寄せられるようになった。大学は職員を巡回させて学生にマナーを注意し、大学オリジナルの携帯灰皿も配布した。桑原雅浩学生課長は「周囲へ配慮する喫煙マナーを身に付けさせるのも、大学教育の一環だ」と語った。

 ●イメージアップも

 ▼「就職力で見抜く!

 沈む大学

 伸びる大学」などの著書がある大学教育ジャーナリスト木村誠さんの話

 禁煙に熱心な大学は女子学生の多い看護系やミッション系が目立つ。少子化に伴う「大学全入時代」を迎える中、大学側には喫煙者がいないきれいなキャンパスで、イメージアップにつなげる狙いもある。以前なら禁煙をルール化しても平然と破る学生が多かっただろうが、現在の学生は従順になった。接客の多いサービス業などで禁煙を勧める企業が増えており、喫煙が就活にマイナスになることも一因だろう。=2014/02/12付 西日本新聞朝刊=

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