「鍵をかけないケア」紹介 福岡の介護会社出版

「鍵をかけないケア」を手にする平山正明さん(左)と山城裕美さん
「鍵をかけないケア」を手にする平山正明さん(左)と山城裕美さん
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 認知症のお年寄りを受け入れるグループホームなどを運営する介護会社「ウェルフェアネット」(福岡県春日市)が、利用者本位を心掛けながらサービス提供に取り組んできた16年間の歩みを「鍵をかけないケア」という題の本にまとめ、出版した。事業開始のきっかけは、社長の平山正明さん(71)が当時の施設のあり方に疑問を感じたこと。「玄関に鍵をかけない」など独自のやり方を紹介しており、認知症介護の参考になる一冊だ。

 平山さんは約30年間勤務したスーパーを53歳で早期退職。その後、介護の資格を得ようと専門学校に通ったとき、実習先の特別養護老人ホームで、介護スタッフからスプーンで口をつつかれて開けるよう促されながら食事をさせられたり、流れ作業で入浴させられたりするお年寄りの姿に衝撃を受けた。一方で「この逆をする施設を開設すれば利用者は必ず集まる」と思い、2000年に介護会社を設立。翌年4月、筑紫野市にグループホームを設けたのを皮切りに、今はグループホーム四つ(定員計63人)、小規模多機能型居宅介護施設三つを運営する。

 「鍵をかけないケア」は、事業開始当初から働く介護支援専門員で7施設全体の現場責任者である山城裕美さん(46)がまとめた。「普通の家と一緒だから昼間から玄関に鍵をかけない」「食事や入浴など毎日のスケジュールを事前に決めない」といった平山さんの考えや、その実践ぶりを報告。お年寄りが外出するときは納得されるまで職員が付き添うという対応法や、いつでも自由に出て行けると思うと逆に出て行かなくなるという認知症の人の心理に関する記述もある。

 149ページ。1380円(税別)。発行所は図書出版木星舎。購入申し込みはウェルフェアネット=092(582)0757。


=2017/07/24付 西日本新聞朝刊=

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