体内時計の調整 「Lーセリン」が効果 アミノ酸の一種 摂取でリセット 九大など共同研究で解明

 九州大大学院農学研究院の安尾しのぶ准教授と同大芸術工学研究院の樋口重和教授は、アミノ酸の一種「L-セリン」が、乱れた体内時計のリセットに効果があると発表した。健康食品販売のファンケル(横浜市)との共同研究で分かった。

 人間の体内時計の周期は24時間より長いため、光を浴びることで体内時計の針を進め、1日24時間のリズムに合うよう調整している。L-セリンは調整を促す働きがあるとみられる。

 安尾准教授によると、男子大学生15人(平均22・2歳)の実験で、就寝30分前に水やL-セリン以外のアミノ酸を摂取した学生は、体内時計の調整を示すホルモン分泌が前日より平均12分早まったのに対し、L-セリンを摂取した学生は平均26分も早まった。

 マウスは体内時計周期が22~23時間で、1日24時間より短いリズムに乱れる。ところが、L-セリンを投与されたマウスは、回し車を回すという毎日の活動開始の時間が他のマウスより1~2時間遅れ、体内時計がうまく調整された。

 また、昼夜を6時間ずらして時差ぼけ状態にしたマウス実験で、水や他のアミノ酸を投与したマウスは体内時計を合わせるのに7日かかったが、L-セリンを投与したマウスは5日で元に戻った。

 L-セリンは牛乳や高野豆腐など、タンパク質を多く含む食品に含まれる。安尾准教授は「現代人は不規則な生活で体内時計が狂いやすい。生活習慣の見直しが第一だが、L-セリン摂取も調整の選択肢の一つになる」としている。研究成果は栄養学の米科学誌(電子版)に10月25日に掲載された。


=2017/11/20付 西日本新聞朝刊=

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