長崎県/乳がん死 全国ワースト4位 16年の県内 人口10万人当たり13人 検診促進 あの手この手

乳がんで乳房を手術した患者向けの下着と補正パッド。長崎市での相談会には多くの女性が訪れた
乳がんで乳房を手術した患者向けの下着と補正パッド。長崎市での相談会には多くの女性が訪れた
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 2016年に乳がんで死亡した患者は県内で176人に上り、人口10万人当たりの死亡者数(13人)が全都道府県と政令市でワースト4位に当たることが県への取材で分かった。治療法の進展で乳がんは発見から5年後の生存率が99%と高い傾向にあり、県内自治体は改善のため、あの手この手で検診促進に取り組んでいる。

 女性に多い病気で40~60代の発症が最も多いが、フリーアナウンサーの小林麻央さん=今年6月、34歳で死去=が闘病の様子をブログでつづり、若い世代も例外ではないことが知られた。

 国は40歳以上を対象に、2年に一度のマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)による検診を勧め、各自治体が検診を実施する。財政状況に応じて無料、受診者の一部負担など対応は異なる。

 県内の15年の平均受診率は25・3%と低い水準にあり、小さな離島が多い五島市が16・9%で最も低い。市は翌年度から生活習慣病予防の特定健診と2種類以上のがん検診を受けた市民を対象に、くじ引きで特産品を贈る仕組みを取り入れたものの、受診率は16・6%とあまりかわっていない。

 一方、都市部を抱える長崎市も19・6%と高くはない水準。企業で働く女性が多く、終業後は病院が閉まっていることが一因と考えられ、市は今年9月、初の「夜間受診」を市中心部のホールで開催。午後5時からの受け付けで無料の託児コーナーも設けたところ、37人が受診した。

 県内で受診率が最も高い佐々町は63・0%と群を抜く。小さな町で対象者が少なく、一人一人に案内を郵送できる強みはあるが、同町は「住民の意識が高い」と自負している。

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 乳がんで乳房を切除した患者は洋服の上からでも見た目を気にしたり、喪失感を抱えたりするケースが少なくない。下着メーカー「ワコール」(京都市)が7~9日に長崎市で開いた相談会にも多くの女性が集まった。30歳で片方の乳房を部分切除した同市の主婦(41)は夏に薄着したときに「乳房のバランスの偏りに気付かれるのではないか」と心配していたといい、初めて試着したシリコーン入り補正パッドを気に入った様子だった。


=2017/12/10付 西日本新聞朝刊=

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