被爆カラスザンショウ 樹皮残し保存へ [長崎県]

全体が枯死し、保存方法が決まった城山小の被爆カラスザンショウ
全体が枯死し、保存方法が決まった城山小の被爆カラスザンショウ
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 長崎原爆の爆心地から約500メートルの城山小(長崎市城山町)にあり、7月に枯死が確認された被爆樹木のカラスザンショウについて、市は樹木の形状や被爆の痕跡を残した状態で保存する方針を決めた。被爆しながらも芽を出し、隣の木に支えられて70年余りを生き抜いてきた姿を今後も平和学習に生かす。

 市によると、これまで樹勢の回復に取り組んできたが、今年春に新芽が芽吹かなかったため樹木医に調査を依頼。5月から木の幹を切断するなどして調査し、7月に枯死を確認したが、ただれた樹皮が、熱線のすさまじさを感じさせる貴重な木として現地で保存することにした。

 措置として、枯死判定のため切断した部分を接着剤などで接合するほか、薬剤を塗って劣化を予防。殺虫剤でシロアリ被害から守ることで今後10年程度は保つことができるといい、将来的には室内での展示についても学校や地元と協議することにしている。

 樹齢120年を超えているとみられるカラスザンショウは自力では立てず、隣のムクの木に支えられながら育ってきた。その様子が平和と復興のシンボルとして被爆者を勇気づけてきた。山王神社のクスノキ(同市坂本2丁目)と同じ保存対象の「被爆建造物等」のAランクに指定されている。

=2016/09/24付 西日本新聞朝刊=

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