産炭地支援策、生まれては消え 温泉、工業団地、遊園地… [長崎県]

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 国内最大の産炭地、九州には、炭鉱閉山後に国や自治体、企業の支援でさまざまな施設が生まれ、消えた。その光と影は現在に連なり、炭鉱が多かった長崎県内も大きく変遷している。

 1998年に県の出資などでつくられた「産炭地域活性化基金」は、廃止までの14年間で、総額51億5千万円を助成した。

 県内屈指の「北松炭田」の炭鉱群があった佐世保市。世知原町では、温泉宿泊施設の掘削などに基金が充てられ、同市吉井町にある御橋工業団地の整備にも基金が使われている。

 意外な所では、ハウステンボスが園内に大規模太陽光発電設備を建設する際にも、基金の約2億7300万円の助成を受けた。

 伊王島炭鉱があった長崎市では、伊王島灯台公園の広場やグラウンド整備に6700万円を補助。外海地区の「道の駅夕陽が丘そとめ」の拡張整備にも4700万円。拡張後の2012年度は、レストラン客が倍増したという。

 他県でも、麻生、安川と並ぶ「筑豊御三家」とされた貝島炭砿があった福岡県宮若市では92年、トヨタ自動車の誘致に成功した。

 一方で“消えた”ものも少なくない。三井三池炭鉱を抱えた熊本県荒尾市では93年に「アジアパーク」が開園したが、入場者が伸びずに閉鎖。跡地にはパチンコ店などが建つ。福岡県大牟田市にもテーマパークができたものの、3年で閉鎖。跡地には帝京大が新キャンパスを整備した。

 多くの支援メニューの基となった関連法は02年に失効。産炭地向けとしては現在、国と自治体出資の「新産業創造等基金」が長崎県と熊本県荒尾市、北海道の3地域に残る。長崎県では約12億円残っているが「基金活用の公募をかけても応募が少ない」という。

=2016/12/01付 西日本新聞朝刊=

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