長崎市役所が10月大再編 総合事務所新設、権限移す 進む人口減分権型で機能維持 支所と行政センターも一本化 [長崎県]

写真を見る
新設される「総合事務所」の一つが置かれる長崎市中央卸売市場。現在は会議室や書庫として使われ、設置工事が急ピッチで進む
新設される「総合事務所」の一つが置かれる長崎市中央卸売市場。現在は会議室や書庫として使われ、設置工事が急ピッチで進む
写真を見る

 長崎市は10月1日付で、出先を含めた「役所」の体制を大幅に再編する。大きな予算執行権限を持つ「総合事務所」を4地区に新設し、本庁などの人員と業務を移管。市町村合併後にでき、ばらつきがあった支所と行政センターも「地域センター」に統一する。九州の主要都市では最も人口減少が進む今後を見据え、掲げるのは行政のスリム化とサービス向上の両立。「全国でも珍しい『分権型』の長崎方式」(市関係者)の先行きが注目される。

 市は旧町村の役場について、「昭和の合併」では支所(12カ所)に、「平成の合併」後は行政センター(7カ所)に衣替えした。だが、支所が証明書や届け出などの窓口に特化する一方、行政センターでは小さな土木修繕や健康相談などの保健業務も担当。人口が多いのに職員が少ない支所や、住民は少ないが職員が多い行政センターが存在するアンバランスが生じていた。

 今回、その2種類の出先拠点を「地域センター」(20カ所)に一本化し、証明書発行などの住民向け窓口として改組。まちづくりに関する相談を含め、地域住民の声を吸い上げる役目を担う。

 ただ、各地域センターの職員数は本庁舎に約70人を置く中央地域センターを除いて各10人前後となり、野母崎や外海など7地区では現状より減る。本庁も市民課などが廃止され、スリム化が進む。

 これに対し、市が「リストラではない」と強調する目玉が、中央・東・南・北地区4カ所に新設する「総合事務所」だ。

 職員規模は人口が集中する中央が251人、南44人、東30人、北36人程度。本庁や行政センターから移る業務は▽道路や河川、公園、公民館の改良と維持補修▽漁港施設の維持管理▽生活保護の決定と実施▽乳幼児や母子の健康相談-など多岐にわたり、各分野の専門職も置く。

 さらに、所長には部長級が就き、行政センターでは1件130万円以下にとどまっていた執行権限を、本庁部長級と同じ「1件当たり5千万円以下」に拡大。地域の課題をその地域で素早く自己完結できるようにする狙いだ。「大まかなイメージとしては、政令指定都市の区役所に近い」と市幹部は語る。

 ただ住民や議会に「行政リストラ」との不安は根強く、当初計画の7月移行からは延期された。総合事務所4カ所の機能も当初は同じとする予定だったが、人口の多い中央総合事務所に各事務所を総括する機能を持たせることになった。

 今月6日の市議会9月定例会の一般質問では、北総合事務所管内となる市議が「人口に応じた職員配置は分かるが、機能が異なってしまっては公平性に欠ける」と指摘。人口の少ない地域にある行政センター所長も「権限が移る分、職員の意識次第で行政サービスに良くも悪くも地域差が出るかもしれない」と漏らす。

 本庁の職員はこう認める。「最初から完璧に移行できるとは思っていない。まさに『走りながら考える』だ」

=2017/09/14付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]