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防犯カメラのぞき見多発 IoT機器サイバー攻撃 「危機意識持ち対策を」

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 インターネットに接続された防犯カメラなど「IoT機器」へのサイバー攻撃が国内外で相次いでいる。防犯カメラにアクセスして映像を公開するサイトや、IoT機器がサイバー攻撃に遭いツイッターなどが一時利用できなくなる被害も発生している。セキュリティーの専門家は「安全対策はまだ十分とはいえず、利用者側も危機意識を持つ必要がある」と警告する。

 コインランドリーで洗濯する男性、事務所でくつろぐ女性…。問題のサイトでは、事務所や街頭に設置された防犯カメラ(ウェブカメラ)の映像を見ることができる。中には一般家庭の玄関内の映像もあり、被害は福岡市など全国各地に広がっている。

 カメラは無線LANのWi-Fi(ワイファイ)などを通してネットにつながり、離れた場所でもパソコンで映像を確認できるため、子どもや高齢者の見守りにも活用される。通常はパスワードを変更して第三者に見られないようにするが、初期設定のままだと容易にアクセスされ、のぞき見される危険性があるという。

 昨年、このサイトが問題になり、多くの飲食店やコンビニが対策を取ったが、今も見られる映像は多い。大分県などでウェブカメラの販売、設置を手掛ける総合防犯設備士の片山勇さんは「利用者側の意識の低さだけでなく、販売側の説明不足の問題もある」と指摘する。

 米国では昨秋、ネットのインフラを提供するダイン社が、大量のデータを送りつける「DDos」攻撃を受け、システムが機能不全に。この影響で通販大手アマゾンやツイッターなどが利用できない状態が断続的に発生した。IoT機器を標的としたウイルスにウェブカメラなど数十万台が感染して乗っ取られ、攻撃側に利用されたとされる。こうした事態を受けて中国の電子機器メーカーは、自社の製品にセキュリティー上の弱さがあったとして数百万台のリコール(無料の回収・修理)を発表した。

 情報セキュリティー大手のトレンドマイクロによると、ネットに接続されたテレビがウイルスに感染した事例も報告されているという。同社の担当者は「脅威の存在を知り、利用者側もソフトウエアの更新やセキュリティー設定の確認を心掛けてほしい」と話す。

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【ワードBOX】IoT機器

 インターネットに接続することで情報をやりとりしたり、遠隔操作したりできる家電や設備。ネットにつながる自動車や工場の機械なども含まれる。IoTは英語の「インターネット・オブ・シングス」の略で「モノのインターネット」と訳す。遠隔地から映像を見られるウェブカメラや、外出中に予約録画ができるビデオレコーダーなど多種多様な機器が開発されている。

=2017/01/10付 西日本新聞夕刊=

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