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福岡ヤクルト工場 1日に100万本超を製造 世界共通「こけし」容器の理由

福岡ヤクルト工場で包装されたヤクルトをチェックする作業員
福岡ヤクルト工場で包装されたヤクルトをチェックする作業員
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1基でヤクルト30万本分の原料液が貯蔵できるタンク。工場内に15基ある
1基でヤクルト30万本分の原料液が貯蔵できるタンク。工場内に15基ある
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福岡ヤクルト工場で製造している4種類のヤクルト
福岡ヤクルト工場で製造している4種類のヤクルト
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ヤクルト発祥の地の近くに立つ石碑=福岡市中央区唐人町
ヤクルト発祥の地の近くに立つ石碑=福岡市中央区唐人町
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 乳酸菌飲料が好きだ。風呂上がりの一杯は、ビールでなくても良い。甘さと酸っぱさのハーモニーが私をとりこにする。特に「ヤクルト」は、幼いころから飲んできた。今はどのように造られているのか、現場を見ることができる。しかも無料で、試飲まで。福岡県筑紫野市にある福岡ヤクルト工場を訪ねた。

■製造翌日に出荷 

 建物の入り口に胸像がある。乳酸菌の強化培養に成功し、ヤクルトを生んだ故代田稔博士の功績をたたえている。この人なくして、ヤクルトは飲めなかったのだ。愛飲者の一人として、背筋がピンと伸びた。

 同工場では「Newヤクルト」をはじめ、糖質・カロリーを半分に抑えた「Newヤクルトカロリーハーフ」などヤクルト4種を製造。九州など西日本各地に届ける。意外だったのは、製造日に出荷せず、翌日まで留め置くことだった。

 案内された実験室のような場所で、理由が分かった。製品に混入してはいけない微生物の有無を調べる装置と、乳酸菌がどれだけ生きているかを調べる装置が並んでいる。原料液や製品の一部を抽出し、1日に4~5回検査を実施。検査結果が判明するまで、出荷はできないのだ。

 工場総務課の尾中美香さん(34)が教えてくれた。「Newヤクルトには、乳酸菌が1本当たり200億個いる。腸まで届き、健康に役立つためには検査が欠かせない」

■温度管理を徹底 

 見学者用通路に立つと大きな金属製タンクが現れた。ヤクルト本社佐賀工場(佐賀県神埼市)から運ばれてきた原料液を貯蔵している。ヤクルト30万本分の原料液が入るタンクが15基。ピカピカに輝き、整然と並ぶ様子はSF映画「スター・ウォーズ」の一場面のようだ。

 通路を挟んだ反対側では目の前をヤクルト容器が高速で流れる。長さ45メートル、幅27メートルの部屋に製造ラインが4本。1秒間に12~13本を充填(じゅうてん)、ラベルを貼り、封をして製品化する。1日に100万~150万本を製造。乳酸菌の働きを維持するため、製品の温度は店頭に並ぶまで10度以下に保っている。

■容器の形に秘密 

 ヤクルトの歴史などを紹介する部屋では、壁一面に容器が並ぶ。ラベルには外国語表記も。

日本のほかにも韓国、タイ、ブラジルなど32カ国・地域で販売されている。現地で使う水の違いから、味は微妙に異なる。

 容量やパックの本数も国や地域で異なる。日本のNewヤクルトが1本65ミリリットルなのに対し、中国、シンガポール、台湾では100ミリリットル。ただ、独特の形をした容器は世界共通という。

 ヤクルトは当初、瓶で販売されていたが1968年から現在の容器になった。日本らしさを出すため「こけし」をイメージした。「メード・イン・ジャパン」が世界の人々の腸内環境を支えている。誇らしい。

 くびれた形状には「一気に飲み干さず、ゆっくり味わって」との思いが込められている。

 福岡ヤクルト工場
 九州自動車道筑紫野インターチェンジから車で約10分、JR天拝山駅から徒歩約15分。見学は平日の午前9時半、同11時、午後1時半から。1週間前までに電話かファクスで予約が必要。見学者はヤクルトの試飲ができるほか、容器を再利用した定規などの記念品がもらえる。申し込み、問い合わせは同工場=092(925)8960(平日午前9時~午後4時)。

    ◇    ◇   

 九州には食品や機械など多数の工場がある。一般向けに見学を実施している工場の生産現場や名人級の技術を持つ作業員らを紹介する。

【知っ得】発祥の地・福岡市に石碑

 「ヤクルト」の製品名はエスペラント語の「ヨーグルト」に由来する。乳酸菌の強化培養に成功し、予防医学を提唱した故代田稔博士の理念に賛同した初代社長が1935年、福岡市で製造・販売したのが始まりという。

 発祥の地である同市中央区唐人町の研究所跡地近くには、ヤクルトの容器をかたどった高さ約50センチの石碑がある=写真。福岡ヤクルト販売(福岡市)が2009年、自社の創業50周年を記念して建立した。

 ヤクルトから摂取した乳酸菌は、数日後には体外に排出されてしまう。一定数の乳酸菌を腸内にとどめておくには、毎日決まった時間に飲むのが良いという。インターネット上では「料理の隠し味になる」などの書き込みも見られるが、ヤクルト本社(東京)によると「加熱すると乳酸菌の働きが弱まる。お勧めできない」という。

=2017/01/11付 西日本新聞朝刊=

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