ホークスファンタブレット

人影で誰か見分けます 世界初、犯罪捜査など期待

高い位置からは人は点のように見えるが、影は人の形や動きがくっきりと映り、解析することで個人特定に活用できる(岩下友美さん提供)
高い位置からは人は点のように見えるが、影は人の形や動きがくっきりと映り、解析することで個人特定に活用できる(岩下友美さん提供)
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NASA研究技術者で九州大大学院客員准教授の岩下友美さん
NASA研究技術者で九州大大学院客員准教授の岩下友美さん
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 人の影の形や動きから歩く姿を割り出し、その違いによって個人を特定する世界初の技術を、米航空宇宙局(NASA)の研究技術者で九州大大学院客員准教授の岩下友美さん(37)=福岡市出身=が開発した。飛行船やビル屋上のカメラから犯罪容疑者を特定したり、迷子や徘徊(はいかい)している高齢者を見つけたりすることへの応用が期待できる。

 NASAの岩下さんが開発

 歩く姿から個人を特定する技術は「歩容認証」といわれ、欧米や日本で1990年代から研究が本格化。指紋と同様に一人一人異なる歩く姿勢、腕の振り方、歩幅などを解析し、事前に登録したデータと突き合わせて個人を識別する。顔が見えなくても人物を特定できるのが利点で、4千人のうち9割以上を見分けた実験結果もある。ただカメラの位置によっては歩く姿をはっきりと捉えられず、判断が難しくなる欠点があった。

 これに対し岩下さんは、人の姿が点のようにしか見えない画像でも、太陽など光源の位置次第で影がくっきりと映ることに着目。影の形や動きを分析することで歩く姿を再現する技術を編み出し、個人特定に結び付けた。高さ約30メートルのビルから行った実験では20人全員の識別に成功した。

 岩下さんによると、一般的な街頭カメラで捉えられる範囲は数十メートル四方だが、飛行船(高度約300メートル)からだと約500メートル四方となり、少ないカメラで効率的に対象者を捜し出すことができる。プライバシーの問題は街頭カメラと同レベルという。

 岩下さんの目標は、1万人を精度100%で特定すること。「顔が見えなくても家族の歩く姿は見分けやすいのと同様、歩容認証は誰もが自然に行っていること。今後はデータを増やして精度を上げることが鍵」と話している。

=2017/02/07付 西日本新聞朝刊=

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