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「馬毛島」解決見通せず 西之表新市長、訓練移転反対を明言

事務所で馬毛島に関する自著を開いて、活用策などを報道各社に説明する八板俊輔氏=20日午後、鹿児島県西之表市
事務所で馬毛島に関する自著を開いて、活用策などを報道各社に説明する八板俊輔氏=20日午後、鹿児島県西之表市
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 域内にある無人島・馬毛島への米空母艦載機離着陸訓練移転計画の受け入れ是非を争点に、異例の再選挙となった鹿児島県・種子島の西之表市長選(19日投開票)。反対派3人、賛成派1人が立った激戦を制した反対派の元新聞記者八板俊輔氏(63)は初当選から一夜明けた20日、あらためて「米軍訓練は馬毛島にふさわしくない」と明言した。

 八板氏は市役所に馬毛島活用室(仮称)を設けて独自の活用策を探る方針で、訓練移転を検討する政府との対立は不可避。敗れた賛成派には落胆が広がるものの、署名活動を行い計画実現を後押ししようとする動きが出てきた。国策を巡る人口1万6千人の市政の動揺はまだ続きそうだ。

 「ありがとうございました」。20日午前7時半、八板氏は妻由紀子さん(60)とともに1月から始めた日課のつじ立ちを行い、市民に当選への謝意を伝えた。

 選挙戦では、賛成派候補が米軍再編交付金の活用を強調。一方で他の反対派2人も断固反対と訴え、馬毛島問題が焦点に浮上したが、八板氏は「市民に十分な情報はなく、米軍訓練の賛否を問う住民投票ではなかった。人口減少などの課題に向き合うリーダーを選ぶ選挙だった」と振り返る。八板氏以外の候補は全員元市議で、八板氏を支援した形岡ひとみさん(56)は「しがらみのない新鮮さに期待が集まったと思う」。

 ただ、政府が計画を断念しない限り、馬毛島問題が市政の懸案になることは避けられない。八板氏は馬毛島に上陸体験があり、島に関する本も書いた経験から「希少な生態系の残る島の自然を守り、地域資源として利用すべきだ」と主張する。島の大半を所有する東京の開発会社と政府の売買交渉が進むなか、仮に国が買収しても、港湾部分の使用は管理者の市に権限があり「あくまで市が島の活用案を考える」と語る。反対運動に取り組む迫川浩英さん(61)は「今後政府の圧力が高まる恐れがある。新市長は先頭に立って反対して」と期待を込めた。

 一方、賛成派は1月の市長選に続き、得票が全体の3割を切った。市議会(定数16)も明確な賛成派は2人にとどまる。それでも自営業西村貞則さん(69)は「まだ終わりではない。賛成派を増やす努力をする」と前を向く。「このまま何もしなければ島は寂れていくだけ」との危機感がにじむ。有志で賛成の署名集めを始め、政府に届けるという。

=2017/03/21付 西日本新聞朝刊=

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