九州は「スナック王国」 別府出身の研究者ら本出版 地域連帯深め、治安に貢献?

写真を見る
単行本として出版された「日本の夜の公共圏」
単行本として出版された「日本の夜の公共圏」
写真を見る

 「九州はスナック王国」「田舎ではスナックが多い地域ほど犯罪が少ない」-。大分県別府市出身で首都大東京の谷口功一教授(44)のグループが、ユニークな研究成果をまとめた。スナックに関する学術研究は極めて珍しい。谷口教授は「地域社会におけるスナックの存在意義が明らかになった」と話している。

 研究は2015年に始めた。法哲学を専門とする谷口教授を代表にスナック好きの学者9人が「スナック研究会」を結成。サントリー文化財団(大阪市)が研究費を助成した。

 行政資料や電話帳、歴史書などを調べたところ、スナックは1964年前後に誕生した。典型的なスタイルは、ママが1人でカウンター越しに接客。ボトルのキープ料は3千円ほどで、これとは別に料金は3千円くらい。多くの店はカラオケも完備する。時間無制限で、指名制がない点でキャバクラと一線を画す。

 店舗は全国に10万軒以上あり、市区町村別では繁華街・中洲を抱える福岡市博多区が838店で全国ナンバーワン。九州では、長崎市5位(675店)▽熊本市中央区10位(578店)▽宮崎市10位(同)▽鹿児島市12位(560店)▽大分市13位(557店)▽北九州市小倉北区15位(527店)-など。佐賀を除く九州各県の県庁所在地が20位以内に入り、九州のスナック人気を物語る。

 都市部の繁華街には一概に当てはまらないものの、スナックが10店多いと刑法犯の認知件数が年間46件少ないことも調査で判明。夜間の光量が低い地域では、スナックが地域の連帯を深め、治安に貢献している可能性があるという。

 「スナックが地域で果たす役割は今後さらに重要になるかもしれない」と研究会。地方創生論としてのスナックの意義も強調する。

 研究成果は6月、白水社(東京)から「日本の夜の公共圏 スナック研究序説」として出版した。220ページ、税別1900円。インターネット通販サイト「アマゾン」などで購入可能。

=2017/08/21付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]