教員の負担減試行錯誤 過労死の大分・公立中教諭 残業110時間超PCに記録

 教員の長時間労働が深刻化している。「脱ゆとり」に伴う学習指導要領の改定で授業時間が増え、部活動指導や事務作業の負担が重くなっている。九州では、2014年に大分県内の公立中学校内で倒れた後に死亡した女性教諭=当時(46)=が6月、民間の労災に当たる公務災害に認定された。教員の「働き方改革」について、文部科学省は年内にも緊急対策を打ち出す方針だ。各地の学校現場でも試行錯誤が始まっている。

 「これは私が働いた証しだから。もし、私に何かあったら使って」。大分県北部の中学校で14年7月、職員室で意識を失って亡くなった女性教諭は生前、同僚だった男性教諭にそう告げ、パソコンに勤務記録を残していた。

 国語と書写を教え、バレーボール部の顧問を務めていた。県教育委員会が任命する学力向上支援教員。模範的な授業を通じて全国学力テストなどの成績の底上げを図る指導的立場で、自分の授業だけでなく、研修会など多忙を極めていた。実家から学校に通い、地域の行事にも積極的に参加していたという。

 亡くなる直前3カ月の時間外勤務(残業)は114時間、112時間、115時間。厚生労働省がおおむね月80時間超を目安と定める「過労死ライン」を優に超えていた。

 「責任感が強い人だった。愚痴をこぼしたりするのを見たことがない。働きすぎを実感していてSOSを出していたのか…」。男性教諭は唇をかむ。

 県教職員組合は「部活動を受け持つ教員なら珍しくない(残業時間の)数字。裏返せば、過労死は誰にも起こり得る」と指摘する。

 文科省の16年度の調査では、校内勤務時間が週60時間以上の教諭は、小学校33・5%、中学校57・7%に上った。女性教諭の父親(84)は「まじめな子だった。娘の死を無駄にしないよう、先生たちの負担が少しでも軽くなるようにお願いしたい」と訴えている。

=2017/08/21付 西日本新聞朝刊=

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