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菊池事件国を提訴 ハンセン病元患者6人「再審不請求は不当」 熊本地裁

 1952年に熊本県で起きた殺人事件で、ハンセン病患者とされた男性が隔離施設の「特別法廷」で裁かれ、無実を訴えながら死刑となった「菊池事件」を巡り、男性の再審を求める国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(同県合志市)の入所者ら元患者6人が29日、検察が再審請求をしないのは不当として、1人10万円の慰謝料を求める国家賠償請求訴訟を熊本地裁に起こした。

 原告は、恵楓園入所者自治会長の志村康さん(84)や全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)会長の森和男さん(77)ら。

 最高裁は昨年4月、男性を含む元患者らを裁いた特別法廷について「元患者の人格と尊厳を傷つけた」と違法性を認めて謝罪。弁護団は、2001年に確定した国の隔離政策を違憲とした熊本地裁判決なども踏まえ「原告らは特別法廷によって助長された差別や偏見を解消するための被害回復請求権を有する」と主張。検察が再審請求しないことで「差別や偏見を解消する機会を奪われた」としている。

 訴状によると、男性の一審の公判と福岡高裁の控訴審は、恵楓園や隣接する熊本刑務所菊池医療刑務支所の特別法廷で開かれ「公平な裁判を受ける権利を侵害し、憲法に違反する」と主張。確定判決に対しても、凶器と認定した短刀や男性の着衣に血痕がなく「無実は明らか」としている。

 最高裁によると、ハンセン病を理由にした特別法廷は1948~72年に95件あり、菊池事件は死刑判決が出た唯一の事例。入所者自治会や全療協など3団体は2012年、検察に菊池事件の再審を請求するよう要請した。検察は今年3月「再審を開始すべき事由があるとは認められない」と回答した。

 法務省は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。

=2017/08/30付 西日本新聞朝刊=

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