PCB64件処理困難 中国地方以西 倒産や資金不足 環境省調査

写真を見る

 人体に有害なポリ塩化ビフェニール(PCB)を高濃度に含んだ廃棄物の処理が遅れる中、来年3月に処理期限が迫っている北九州市の施設では、処理の見通しが立たない工場などの事業所がなお64カ所に上ることが環境省の調査で分かった。同施設は中国地方以西の処理を管轄しており、九州分は10カ所。倒産で所在不明になったり、費用が工面できないとの理由で処理に応じなかったりしているという。同省は期限を過ぎた所有者に改善命令を出し、行政代執行も検討するとしている。

 PCB廃棄物については、2001年施行の特別措置法で16年7月までの廃棄・無害化が義務付けられた。しかし処理は進まず、16年に地域ごとの処理期限を設けるよう法改正した。国は処理会社「中間貯蔵・環境安全事業」(JESCO)を設立し、全国5カ所に広域処理施設を設置。北九州市若松区の処理施設が管轄する事業所は、18年3月末までに高濃度PCB含有の変圧器やコンデンサー(蓄電器)の処理契約を締結するよう求められている。

 環境省が9月末に変圧器・コンデンサーの処理状況の掘り起こし調査をしたところ、同施設管内では64事業所が処理契約前の登録をしておらず、処理のめどが立っていないことが判明。うち26カ所はPCB含有の機器を使用していた。一方、処理登録をした事業所は1万956カ所。このうち968カ所はPCB廃棄物を処理施設に搬入していないが、来年3月までに搬入する予定という。

 現在、同省地方環境事務所や各自治体などが処理に応じない事業者に対して電話や訪問するなどして処理を要請中。JESCOは「改善命令に従わなかった場合は3年以下の懲役や1千万円以下の罰金などが科せられる。処理費用への融資制度もあるので、期限内に処理契約をしてほしい」(福嶋慶三営業企画課長)と呼び掛けている。

 PCBは1968年の食品公害「カネミ油症事件」を受け、72年に製造が禁止された。

【ワードBOX】PCB廃棄物処理

 2016年にPCB廃棄物適正処理特別措置法が改正され、5千ppmを超す高濃度廃棄物を保管する業者に対し、無害化処理完了を義務付けた。地域や廃棄物の種類によって処分期限は異なり、最終期限は23年3月末。北九州市の処理施設は期限が最も早く、変圧器・コンデンサーは18年3月末、安定器と塗料や感圧複写紙などの汚染物は21年3月末までに処分しなければならない。低濃度PCBの廃棄物は民間の処理施設で処理され、27年3月末が期限。

=2017/12/30付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]