ペット可否に自治体で差 熊本地震の災害公営住宅入居 飼育容認は3町のみ

仮設住宅でペットの犬と暮らし、災害公営住宅への入居を希望する夫婦=熊本県甲佐町
仮設住宅でペットの犬と暮らし、災害公営住宅への入居を希望する夫婦=熊本県甲佐町
写真を見る

 熊本県内に今後整備される熊本地震の被災者向け災害公営住宅を巡り、ペット飼育を認めるかどうかの判断が自治体間で割れている。仮設住宅では全自治体がペット飼育を認めたが、恒久的な住まいとなる災害公営住宅は「飼育を禁じた一般の公営住宅との整合性が取れない」とペット不可にする自治体があるためだ。災害公営住宅は今春以降に順次完成予定だが、ペットの存在を心の支えにする被災者が入居をためらう恐れもある。

 県内では昨年10月末現在、12市町村が計1575戸の災害公営住宅の整備を予定する。西日本新聞が昨年12月末に聞いたところ「条件付きでペット可」は益城、美里、大津3町。このうち益城、美里両町は地震前から飼育しているペットだけを認め、新たな飼育は禁じる。一方で熊本市、阿蘇市、甲佐町は「ペット不可」。御船町や西原村など6市町村は「未定」としている。

 公営住宅法によると、災害公営住宅は災害発生から3年経過すれば被災者以外を入居させることも可能。いずれ一般住民の入居が想定されるのに、一般の公営住宅で禁止しているペット飼育を認めるわけにはいかないというのが「不可」とする3市町の立場だ。一方で「未定」の自治体には「災害という事情を考慮するべきだとの意見もある」と悩むところもある。

 甲佐町の仮設住宅で夫(45)と暮らし、トイプードルを飼う女性(48)は、安い家賃で借りていた借家が大規模半壊。今年6月以降にも入居が始まる災害公営住宅を希望しているが、町は飼育を認めない方針。「地震後、家族の恐怖や不安はこの子のおかげで笑顔に変わった。離れることはできない」と訴える。

 公営住宅法にペットに関する入居要件の規定はなく、国土交通省は「各自治体の判断に委ねる」とする。東日本大震災でも自治体ごとに対応が異なり、岩手県は棟ごとにペットの可否を決め、県営1779戸のうち176戸(5棟)で飼育を容認した。市町村営が不可の場合、その自治体に建てた県営ではできる限りペットを認めるよう配慮したという。

=2018/01/04付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]