仮設入居6割が延長望む 業者不足で再建に時間 熊本地震

被害が大きかった熊本県益城町では仮設住宅の入居期間延長の申し込みが始まっている=昨年11月
被害が大きかった熊本県益城町では仮設住宅の入居期間延長の申し込みが始まっている=昨年11月
写真を見る

 2016年4月の熊本地震で被災し、熊本県内の仮設住宅やみなし仮設で暮らす世帯のうち、6割の9775世帯が入居期間の延長を希望していることが18日、県の調査で分かった。建設業者不足で、自宅再建や災害公営住宅の整備に時間がかかっているのが主因で、被災者の生活再建に遅れが出るのは必至だ。

 仮設の入居は原則2年で、早い世帯で今年4月から期限を迎える。熊本地震では、政府が昨年10月に1年間の入居延長を決めた。

 延長を希望する理由は、自宅再建が間に合わない(36%)▽災害公営住宅の完成が間に合わない(24%)▽民間賃貸住宅の物件不足(19%)▽自宅再建に公共事業の影響がある(7%)-の順だった。

 自宅再建希望者が全体の48%を占めるものの、施工業者不足が課題になっている。熊本市の不動産業者は「職人がおらず、工期は地震前の1・5~2倍かかる。着工まで1年待ちの物件も少なくない」と明かす。

 自宅再建が困難な人向けに、市町村が整備する災害公営住宅の入居希望者は16%。県によると12市町村が1575戸(昨年10月末)を計画しているが、いずれも着工に至っていない。

 同県甲佐町で先行整備予定の22戸は、昨年11月と今月行った2回の入札が不調に終わり、今春の完成予定の遅れが確実になった。町内の仮設で暮らす入居希望の男性(73)は「他に行き場がなく、待つしかない」と肩を落とす。用地探しが難航する市町村も多い。

 公共事業の影響では、被害が大きい同県益城町が計画する町中心部の区画整理で、昨年12月に町都市計画審議会が事業区域案を否決。区域内に自宅がある女性(63)は「再建の道筋が立てられない」といら立ちを隠さない。

 調査では、再建時期の見通しは18年度が41%で最も多く、19年度33%、20年度以降4%、不明12%。本年度内は10%にとどまった。再建方法が未定としたのは142世帯で、県の昨年6月調査の3978世帯からは大幅に減った。

 調査は、昨年11月~今年1月に県内の仮設、みなし仮設の全1万7507世帯に実施。93%の1万6267世帯が回答した。

=2018/01/19付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]