技能検定「陶磁器」廃止も 厚労省、受検者減少で検討 有田など産地は継続要望

 厚生労働省が職業技術向上のために実施する国家試験「技能検定」のうち「陶磁器製造」部門の廃止を検討していることが27日、分かった。受検者数の減少が理由で、本年度中に結論を出す方針。佐賀県有田町などの窯業産地では、人材育成や技能継承のため継続を求める声が高まっている。

 厚労省によると、技能検定は1959年に始まり現在126の部門がある。76年に新設された陶磁器製造の部門には、手ろくろ成形▽機械ろくろ成形▽鋳込み成形▽絵付け▽原型製作-の五つの検定があった。

 難易度に応じて1、2級があり、学科と実技試験が課せられる。実技試験は九州では有田町や長崎県波佐見町で行われてきた。厚労省認定の「現代の名工」も大半が検定合格者の1級技能士から選ばれている。

 当初は部門全体で約300人が受検していたが、機械化による職人の減少などで78年から検定継続条件の100人を下回っている。検定は同年から隔年に、受検者が77人だった2015年から3年ごとになった。

 受検者数の減少に伴い、07年に機械ろくろと鋳込みが手ろくろに統合され、16年に手ろくろは廃止。原型製作は休止中で、事実上、絵付けのみが残っている。

 厚労省は「受検者数が低迷し、増加の見込みがない」として部門全体の廃止を検討。昨年12月に2回、有識者による統廃合検討会を開き、窯業産地からも意見を聞いた。今月31日の検討会で最終的に議論し、3月末までに結論を出す。

 「現代の名工」の絵付け師、舘林延幸さん(66)=有田町=は「検定合格は職人の励み。伝統産業を守るため、一律に受検者数で切り捨てるべきではない」と話した。

=2018/01/28付 西日本新聞朝刊=

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