新年度の応援職員、必要数の4割 熊本地震被災11市町村 「技術系」確保難航 道路復旧など支障も

 熊本地震で被災した熊本県内の11市町村が、2018年度に必要な応援職員の約4割しか確保できない見通しであることが8日、県のまとめで分かった。災害が多発したことや、東京五輪に伴う建設需要増で技術系職員が民間に流出した影響が大きい。被災自治体は退職したOBを採用するなど人材確保に懸命だが、道路復旧工事などに支障が出ている。福岡県の九州豪雨の被災地も同じ課題に頭を痛めている。

 熊本県によると、熊本市や益城町など11市町村は18年度、県内外から17年度並みの196人の職員派遣を希望しているが、確保の見通しが立ったのは87人にとどまる。17年度に応援職員の約7割を派遣した九州・山口の自治体が、九州豪雨の被災自治体にも派遣するため、熊本への派遣数は約3割減少。特に豪雨被害を受けた福岡県からは、ほぼ半減の13人となる。

 熊本県内で最も多い89人の派遣を求める益城町は、自宅再建に伴う課税業務や災害公営住宅の入居手続きなど、新たな業務が増加。担当者は「公共インフラのほとんどが被災したが、専門知識が足りずに復旧が遅れている」と明かす。被災自治体が求める職員の多くは、設計や施工管理ができる技術系職員だ。

 関係首長は昨年春以降、全国の延べ139自治体を訪ねて派遣を要請。熊本県も、自治体職員を招いた被災現場視察会を開いて協力を求めた。県の担当者は「五輪関連の特需で技術系の人材が民間に流れ、派遣する自治体も技術職の確保に苦戦している」と話す。

 昨年7月の九州豪雨で被災した福岡県朝倉市と東峰村は18年度、107人の職員派遣を要望しているが、確保できたのは50人程度。朝倉市の担当者は「任期付き職員の採用も検討していくが、各地で人材の取り合いになっており、確保は厳しい」と漏らす。

 熊本県によると、熊本地震の発生直後は数日から数週間の短期派遣の応援職員が延べ約10万人に上った。17年度の派遣職員数は被災市町村が要望した6割程度の129人だった。

=2018/02/09付 西日本新聞朝刊=

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