飯塚事件特別抗告 弁護側「憲法、判例に違反」

写真を見る

 福岡県飯塚市で1992年に女児2人が殺害された「飯塚事件」で、久間三千年(みちとし)元死刑囚=執行時(70)=の再審開始を認めなかった6日の福岡高裁決定に対し、弁護側は13日、「憲法や判例に違反する」として最高裁に特別抗告した。

 高裁決定は、確定判決が有罪認定の柱としたDNA型鑑定の証明力を否定しながらも、被害者に付着した血痕の血液型鑑定▽被害者の所持品遺棄現場での不審車両の目撃証言▽元死刑囚の車で検出された被害者と同じ血液型の血痕や尿痕-などの状況証拠で「元死刑囚が犯人であることが重層的に絞り込まれている」と認定。福岡地裁決定同様に弁護側の請求を棄却した。

 特別抗告で弁護側は、血液型鑑定に関して「手法が非科学的。正確な理論と信頼される方法で行われた鑑定は証拠能力を認めるとした最高裁判例に反する」と主張。警察の誘導があったとして信用性を争った目撃証言についても「真摯(しんし)な再吟味をしていない」と批判し、新旧全証拠を総合評価して有罪認定が揺らぐときに再審を開始するとした最高裁の「白鳥決定」(1975年)に反するとしている。岩田務主任弁護人は「高裁決定は結論ありきの不当決定だ。きちんと証拠を判断してほしい」と話した。

 ■「死刑判決関わった裁判官の関与違憲」 弁護側主張

 飯塚事件の再審請求を巡る特別抗告で弁護側は、一審の死刑判決に関わった柴田寿宏裁判官が再審請求即時抗告審にも一時関与した問題を理由の一つに挙げ「公平な裁判を保証した憲法に違反する」とした。

 憲法37条1項は「刑事事件においては被告人は公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する」とし、刑事訴訟法も控訴審や上告審の裁判で下級審(一審や二審)に関わった「前審関与」の裁判官を担当させない規定がある。一方で再審制度にこの規定はなく1959年の最高裁決定は「再審は前審関与の規定に当たらない」としている。

 弁護側は、柴田裁判官の関与について「自らが関与した裁判の当否が審査される手続きに参加することは公平性に反する。予断や偏見を抱く恐れもある」と指摘。59年の最高裁決定に関しては「『疑わしきは被告人の利益に』という刑事裁判の鉄則を再審請求審にも適用すべきだとした75年の白鳥決定以前の決定で、今や妥当性を失っている」と主張している。

=2018/02/14付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]