山崩れ斜面に新たな“崩壊面” 二次災害の恐れも 九州大教授が分析 大分

大分県中津市耶馬渓町の山崩れ現場。黄色の円の部分が崩落の恐れがあるという=12日午前9時24分
大分県中津市耶馬渓町の山崩れ現場。黄色の円の部分が崩落の恐れがあるという=12日午前9時24分
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山崩れ現場周辺をレーザー計測した立体図(アジア航測提供)
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 山崩れが発生した大分県中津市耶馬渓町の現場で、崩れた斜面の中腹に段差ができ、新たに崩れ落ちそうな「崩壊面」が形成されていることが、九州大大学院の三谷泰浩教授(岩盤工学)の分析で分かった。土砂の撤去作業や大雨で地盤が緩むと、段差を境に大量の土砂が滑り落ちる恐れがあるという。

 航空測量会社「アジア航測」(東京)がレーザー計測した現場状況を分析した。三谷教授によると、段差は、崩れた斜面の東部分で確認された。岩が風化して山肌に積もった「崩積土(ほうせきど)」が、山崩れの後に不安定な状態でとどまっているとみられる。「次の崩落につながるような形状で、非常に危険な印象を受ける」としている。こうした分析は、県警や消防、自衛隊などの捜索現場にも伝えられており、斜面下で進められている行方不明者の捜索は慎重に行われている。

 アジア航測は、山崩れ発生前に測量した結果と比べた結果、今回の山崩れで崩落した土砂の量は6万立方メートル以上と推定。レーザー計測では、過去に崩落した跡とみられる地形も周辺で複数確認。斜面がえぐれ、ずれ落ちたような地形で、現場周辺はたびたび崩落が起きたことが分かるという。

 三谷教授を含め、国土交通省が11日に現地派遣した専門家チームによると、今回の山崩れは、過去の噴火の火砕流が冷えて固まった「溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)」の風化が進み、岩の亀裂に沿うように落ちたのが原因。厚く積もった崩積土も巻き込み、被害を大きくした。崩落のきっかけは不明で、三谷教授は「熊本地震や九州豪雨の影響かもしれず、調査が必要だ」としている。

 溶結凝灰岩は硬い岩盤だが、割れ目が入りやすい。溶結凝灰岩は九州各地に分布しており、今回と同様の山崩れが発生するリスクはあるという。

 大雨で崩れやすい土砂と比べて岩盤の崩落は予測が難しく、国交省などは、前兆現象として▽湧き水やため池が濁ったり、量が増えたりする▽小石がパラパラと落ちる▽地鳴りがする▽強烈な異臭がする▽樹木が傾くなど山の景色が変わる-などを挙げている。

=2018/04/19付 西日本新聞朝刊=

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