ホークスファンタブレット

久留島武彦の評伝出版 日本のアンデルセンと呼ばれた男 玖珠町の研究所長・金さん [大分県]

出版記念パーティーで本を手にあいさつする金成妍さん
出版記念パーティーで本を手にあいさつする金成妍さん
写真を見る

 玖珠町久留島武彦研究所所長の金成妍(キムソンヨン)さん(37)が、同町出身の童話作家久留島武彦(1874~1960)の一生をたどる「久留島武彦評伝 日本のアンデルセンと呼ばれた男」(求龍堂、1620円)を出版した。4月に同町に久留島記念館がオープンするのを前に「久留島の生涯を多くの人に分かりやすく伝えたかった」と金さん。評伝には「亡き恩師からの宿題」として取り組んだ久留島研究の成果を盛り込んだ。

 金さんは韓国・釜山市出身。九州大大学院に進み2004年、亡くなる3日前に同大学院の花田俊典教授から久留島の追悼集を手渡されたのがきっかけで研究を始めた。08年、文学博士号を取得し12年に同研究所長に就任した。

 今回出版した評伝では、同町森での幼少時代から、日本児童文学の先駆けとされる巌谷小波(いわやさざなみ)らと始めた童話口演活動、アンデルセンの祖国デンマーク訪問、日本での基盤作りに奔走したボーイスカウト活動などを丹念にたどり、多面的に活躍した久留島の人生を生き生きと紹介。尾崎紅葉、勝海舟、乃木希典、ムソリーニなどとのエピソードも盛り込んだ。「正確な評伝が必要だと考え、資料から確認できることだけを書き、読みやすくなるよう心掛けました。ここまで来るのに12年かかりました」と金さん。

 今月10日、同町で昨秋の巌谷小波文芸賞(日本青少年文化センター)の特別賞受賞と合わせた出版記念パーティーが開催された。金さんは評伝の表紙に1915年、ソウルでの口演童話会に集まった2千人を超す子どもの写真を使ったことに触れ「当時、久留島の後には多くの子どもたちがいました。今、久留島のことを知る人は少ないけれど何十万人、何百万人が知るようになると信じています」とあいさつ。温かい拍手を受けた。

=2017/02/25付 西日本新聞朝刊=

◆500台限定!ホークスファン専用のタブレットが今月より発売開始。プレミアム特典も。

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]