復興支援協力隊員が着任 「被災地域に安心を」 日田市 [大分県]

松永鎌矢さん
松永鎌矢さん
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 九州豪雨で被災した日田市で、復興支援活動に限定した地域おこし協力隊員が着任した。同市は5年前の九州北部豪雨でも大きな被害に遭い、「また災害に遭うのでは」と不安を抱える被災者も多い。協力隊員はそんな被災者の相談に乗り、安心につなげるのが狙い。総務省によると、東日本大震災の被災地では「復興支援員」が地域の見守りなどを担うが、協力隊の活動を復興支援に特化した取り組みは全国でも珍しいという。

 着任したのは、名古屋市のNPO法人で全国の災害支援に携わってきた松永鎌矢さん(28)。今回も豪雨直後から日田市で支援活動に当たり、「息長く復興の手助けをしたい」と法人を退職、日田市に移住した。

 今回の業務では、みなし仮設住宅などに入居して地元から離れて暮らす世帯を巡回し、困り事や悩みを聞き取り、支援が必要であれば行政や関係機関につなぐ。地域のコミュニティー維持のため、集いの場づくりや、災害危険箇所の把握、円滑な避難行動を学ぶワークショップを開くなどして、地域の防災意識強化にも取り組む。市はもう1人、復興支援活動をする協力隊員を募集中で、2人体制で復興支援に当たる。

 豪雨から5カ月が過ぎ、みなし仮設住宅などの慣れない環境での生活が長引けば、持病の悪化などで死亡する災害関連死や孤独死のリスクが高まる。市まちづくり推進課の高野新一課長は「河川や道路の復旧は資金をつぎ込めばできるが、人の支援は人にしかできない。協力隊員が被災地を見守ることで関連死や孤独死を防ぎたい」と期待。松永さんは「丁寧に被災者の悩みや思いを聞き取り、支援の網から漏れることがないようにしたい」と決意を語った。

【ワードBOX】地域おこし協力隊

 都市部から過疎地域などへ住民票を移した人を、地方自治体が「地域おこし協力隊員」に委嘱する国の制度で2009年度に始まった。隊員の活動経費として国が最大400万円、特別交付税で助成する。総務省によると、16年度には886自治体で3978人が隊員として活動した。任期終了後は約6割が同じ地域に定住している。

=2017/12/16付 西日本新聞朝刊=

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