【見解】再昇格へ井原体制の支援期待 運動部・末継智章

◆アビスパ4度目のJ2降格

 サッカーJリーグのアビスパ福岡が5季ぶりのJ1で年間最下位の18位に終わり、2001、06、11年に続く4度目のJ2降格が決まった。年間4勝(7分け23敗)はクラブ史上最少の勝利数で、総得点26点はリーグ最少、総失点66点はリーグ最多。J1との力の差を突き付けられた。

 大敗の理由の一つに資金力の差がある。ホームタウンの福岡市は人口150万人を超すが、今季の年間売り上げ目標18億円は昨季のJ1平均(33億4300万円)の約半分。力のある選手を十分に補強できずに1年で降格が決まったのは、06年や11年と同じパターンだったといえる。

 J2で戦うシーズンは広告料や入場料の減収が懸念されるため、過去3度は緊縮路線を採った。そのせいもあってJ1復帰まで全て5年を要したが、今回は同じ失敗をする可能性は低そうだ。14年夏から不動産関連のアパマンショップホールディングスの支援を受け、それ以降は営業部門の強化を進めているからだ。

 14年に186社だったスポンサー数は約1500社に増加。クラブは来季も年間売り上げ目標を18億円に設定する。これはJ2上位の金額となる。11月にチーフディレクターに就任したカルロス・エイキ・バチスタ氏は、ブラジルの強豪クラブで経営に携わった手腕を期待されている。

 来季続投が発表された井原正巳監督の下で、現在の「堅守速攻」のチームづくりを継続できることも大きい。従来は降格の度に監督や強化責任者が交代し、強化方針なども大きく変わったが、今回は鈴木健仁強化部長も留任。井原監督と協議しながら、選手の補強などを進めている。

 J1に定着できるクラブになるには、周囲の支援も欠かせない。例えば練習拠点の雁の巣球技場(福岡市)は完成から20年間、一度も天然芝の全面張り替えが行われていない。荒れたピッチが故障者続出の理由の一つになっており、改善の余地は大いにある。

 チームの強化方針が一定しなかった時期は、地元九州の有望選手が入団を回避することもあったが、クラブは経営とチーム強化の両面でいい方向へ向かいつつある。さらに行政、市民、財界を含めた「オール福岡」の力で支えることができれば、強豪クラブとの差は縮められるはずだ。


=2016/12/02付 西日本新聞朝刊=

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