西日本新聞

佐賀県

【2010参院選・佐賀 第6部 下】民主 風頼みを脱却できるか

2010年07月14日 15:18
支援者に深々と頭を下げる民主党の甲木美知子氏(左)。大差での落選は関係者に衝撃を与えた=11日夜、佐賀市の事務所
支援者に深々と頭を下げる民主党の甲木美知子氏(左)。大差での落選は関係者に衝撃を与えた=11日夜、佐賀市の事務所
 大隈重信侯以来の佐賀市出身閣僚の来援にしては寂しい光景だった。

 参院選公示日の6月24日。総務相の原口一博は、民主甲木美知子(39)と佐賀市の大型ショッピングセンター前で街頭演説した。「改革の時計の針を元に戻してはいけない」。だが、買い物客の多くは足を止めずに車に乗り込んでいく。最後まで演説を聞いていた聴衆はたった5人だった。

 選挙戦が進み、各種世論調査は自民福岡資麿の「優勢」を告げる。特に、原口の地元佐賀市で苦戦が伝えられた。危機感を抱いた原口はラストサンデーの4日、旧佐賀市の全19校区でミニ集会を開催した。

 「党本部から『地域主権とか格好良いことを言っているが、甲木さんを上げきれるのか』と注文されている」

 甲木を通すことが自分への支援につながる。「甲木-福岡」でなく、「原口-福岡」の対決構図に持ち込むことで反転攻勢を仕掛けようとしたが、佐賀市ではダブルスコアで負けてしまう。

   □   ■

 「私は鳥栖のささやかな電器屋さんに生まれました」。投開票日が迫った7日、佐賀市で開かれた総決起集会。甲木は「最後のお願い」の場でも自己紹介から始めざるを得なかった。

 民主は政権交代の勢いそのままに、フレッシュな女性候補を打ち出して議席獲得を目指した。しかし、自民が擁立したのは甲木より若く衆院議員経験のある福岡だった。

 佐賀市役所の期日前投票を終えた佐賀市内の主婦(63)は福岡を選んだと言った。前回衆院選で原口に投票していたが「福岡さんは若くて経験もあるから安心。甲木さんは、よく知らない…」。知名度不足が最後まで響いた。

   ■   □

 民主は前回参院選で自民の21連勝を止めた。比例でも初の県内第1党となり、初陣となった1998年参院選の約6万票の2・5倍となる約15万票を獲得した。これまで順調に党勢を拡大してきたが、今参院選では選挙区で大敗北を喫し、比例約12万票は03年衆院選(約13万票)レベルに逆戻りしてしまう。

 「このような結果になったのは、私の不徳の致すところ…」。11日夜、甲木は支援者に深々と頭を下げた。開票が進み、閑散とした事務所で県連幹部はがくぜんとした。「11万票差は想定をはるかに超えた数字だ」

 地方組織が弱い民主は、風向きで党勢が左右される弱点を以前から指摘されてきたが、政権与党になった今、批判にさらされる機会が増える。そう簡単に“追い風”は吹かないだろう。

 だからこそ、地域に根差した地方議員を増やすことが喫緊の課題。民主県連代表代行の園田泰郎は「今回の敗北から体制を立て直し政権党にふさわしい組織を構築したい」と意気込む。来春の統一地方選で、その真価が問われる。 (敬称略)


=2010/07/14付 西日本新聞朝刊=

バックナンバー

おすすめ情報【PR】
おすすめ情報【PR】
東日本大震災特設ページ
アクセスランキング
注目コンテンツ
47CLUB探検隊

「もつ鍋万十屋」さんに行ってきました!

まだまだ寒い日が続きますが皆さまはお元気ですか? 寒い日は『鍋物』がよりいっそう美味しいと感じます。 今日は博多の名店「...

>> 記事を読む

>> 47CLUB探検隊へ