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津波対策国の役割注視 南海トラフ地震 備え進む日向市 避難施設整備「補助金あればこそ」

長江避難タワーの周辺では子どもたちが歓声を上げて遊んでいた
長江避難タワーの周辺では子どもたちが歓声を上げて遊んでいた
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 南海トラフ巨大地震で甚大な被害が想定されている宮崎県日向市。県の試算では、最悪の場合、県内の死亡者数は3万5千人で、中でも日向市は県内最多の1万5千人とされる。市の人口約6万人の4分の1に当たる膨大な数だ。関係者に激震が走った試算の発表から4年。その後の対策の進み具合を取材した。

 「地震のときとか津波のときとかに上に登るとよ」

 秋の陽光が心地よい12日午前10時半、カメラを提げて訪ねた日向市財光寺の長江避難タワーは、子どもたちの歓声に包まれていた。タワーは児童公園の敷地内に建つ。子どもたちは公園に隣接する長江保育園の園児だ。口々にタワーの役割を教えてくれた。見守る先生は「避難訓練の成果です」と胸を張った。

 長江避難タワーは市が昨年2月に約1億円かけ整備した。海に近いこの場所の海抜は3・7メートル。タワーは地上4・6メートル(海抜8・3メートル)と7・6メートル(同11・3メートル)の2層に避難スペースがある鉄筋コンクリート造で、670人を収容する。

 市は、最短17分と想定される津波到達時間内に高台避難が不可能な特定避難困難地域で、タワーなど16カ所の避難施設を整備する計画を持つ。これまでに9カ所が完成。2019年度までに残り7カ所を整備する予定だ。総整備費は約26億円を見込み、国が3分の2を補助する。

 今回の衆院選。残念ながら津波対策の議論が高まっているとは言い難い。「整備は国の補助があればこそ」と話す同市の長友正博防災推進課長は「国民の関心は薄れてはいない。計画が遅れないよう国に予算措置の要望を続けたい」。

 並行して市は地区防災計画づくりを全91地区で取り組む。その先頭を走るのが長江避難タワーがある長江区で、本年度中に作成する予定だ。河野成幸区長(75)は「住民自ら計画づくりに取り組むことで、防災意識が高まった」と言う。

 先日は避難経路所要時間図を住民みんなで作ったところ、区内からは6分以内でタワーに避難できることが分かった。その結果、最短津波到達時間の17分内の避難を目指すためには、家を11分以内で出発しなければならないことが分かり、常備袋の必要性などが周知できたという。

 選挙戦を見守りながら、河野区長は思う。「命を助けるタワーにするのは私たち自身だと決意している。だから、国や政治には今後もきちんと役割を果たしてほしいね」

=2017/10/13付 西日本新聞朝刊=

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