「1区勝利」自民奮起 穴見氏、吉良氏と4度目対決 県連新体制の「試金石」

市連臨時総務会の最後に、気勢を上げる立候補予定者や大分市議会議員ら=9月29日
市連臨時総務会の最後に、気勢を上げる立候補予定者や大分市議会議員ら=9月29日
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 10日公示の衆院選大分1区で、自民党が穴見陽一氏(48)=九州比例、前職=の勝利へムチを入れている。今回は希望の党から出馬予定の吉良州司氏(59)=前職=とは4回目の対決となるが、1勝2敗と負け越している。2年前の大分市長選で40年ぶりに自民系の市長が誕生。環境は追い風にあり、昨年末に新体制となった自民県連にとっても「試金石」の戦いとなる。

 「私が市長になる前から、市長になってからも市政に支援いただき、敬意を表する」。9月29日、大分市内で開かれた自民市連の臨時総務会に出席した佐藤樹一郎市長は、穴見氏と固く握手を交わし「穴見支持」を強く印象づけた。穴見氏は前回、約6千票差で民主党(当時)の吉良氏に敗北、比例代表で復活した。佐藤市長は、15年の同市長選で自民推薦を得て当選した経緯があり、自民にとっては「貸し」がある。「前面に出て一緒に戦ってくれるだろう」と県連幹部は期待を寄せる。

 市中心部が選挙区の1区。民進党や社民党を支持する臨海コンビナート地区の企業や自治体の労組組織が強固な土地柄で、1996年の小選挙区制導入以降、自民候補は7回のうち1回(2009年)しか勝利していない。昨年7月の参院選でも、自民新人が民進現職に大分市で約1万票のリードを許し、この差が響き、1090票という僅差で落選した。

 同11月に県連会長に就任した県議の阿部英仁会長は、県議団主導の党勢拡大を期し、就任後、県内全支部を巡回して意見交換。今年7月には初の「自民党まつり」を大分市内のJR大分駅前で開催し、若い有権者に積極的に働き掛けるなど、次期衆院選をにらんで手を打ってきた。穴見氏は、企業や地域での後援会づくりを進め、その数は数十になるという。

 満を持しての衆院選-のはずだが、小池百合子東京都知事率いる希望の党設立によって風向きが不透明となり、陣営には危機感が広がる。市内各所に張られた穴見氏のポスターには、安倍晋三首相でなく菅義偉官房長官の写真。県連関係者は「いま、安倍さんはお呼びじゃないやろ」。共同通信の調査(9月30、10月1日)で内閣不支持が支持を上回る事態に「ただでさえ厳しい選挙区だから…」と険しい表情だ。

 2日の事務所開き。穴見氏は「小選挙区で2回続けて敗北すると、次の選挙では公認を得られない可能性が高い」と悲愴感をあらわにし「ようやく市長と国会議員が力を合わせて進められる環境ができている。どうかもう一度衆議院で働かせてほしい」と支持者に呼び掛けた。今回、台風の目となっている希望の党に移った吉良氏との因縁の対決は、予断を許さない。

=2017/10/06付 西日本新聞朝刊=

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